あらためて知ろう!麻酔器の構造・構成器具について

治療用機器

【はじめに】
医療機関などで用いられる麻酔器は痛みを伴う手術には欠かせない機器です。
オペなどで麻酔器を使用する場合でも、使用前に麻酔器の始業点検をする場合でもその構造を知っておく必要はあります。

そして麻酔器は「麻酔ガス供給部」や「呼吸回路部」といった様々な部分から構成されていて、その部分ごとの扱い方にも慣れておくべきです。

今回、麻酔器の構造や仕組みについてお伝えしていきます。

【大まかに6つの部分から構成されている】
麻酔器は以下示すように、大きく6つの構造部分から成り立っています。

・ガス供給部分
・流量調整ノブ
・流量計
・酸素フラッシュ弁
・気化器
・呼吸回路

まず、ガス供給部分についてですが、この部分は大きく「ガスボンベ」「パイプラインシステム」「安全システム」の3つの部分から構成されています。
ガスボンベの種類には酸素と亜酸化窒素、二酸化炭素などがあります。酸素は黒、亜酸化窒素は青、二酸化炭素は緑などと色分けされています。

それからパイプラインシステムには中央パイピングと呼ばれる酸素、亜酸化窒素、空気といったガスの配給装置が備え付けられており、こちらも酸素は緑、亜酸化窒素は青、空気は黄色の色分けがされており、ミスが起こりにくいよう工夫されています。

また安全システムは、中央パイピングと麻酔器のホースが連結されないようなシステムです

流量調整ノブは、減圧されたガスの量を調整する部分になります。

流量計についてはガス供給部分の一部で特定のガスの流量を測定するための器具と言えます。

さらに、酸素フラッシュ弁とは、酸素を呼吸回路内に直接供給する弁です。

気化器には頻脈発生を促進してしまいやすい「イソフルラン用のもの」と、徐脈の原因ともなりやすい「セボフルラン用のもの」の2種類があります。

最後に、呼吸回路は「半閉鎖循環式呼吸回路」「炭酸ガス吸収装置」部分から構成されており、「半閉鎖循環式呼吸回路」は吸気・呼気の2種類の一方弁や呼吸バッグ、また、「炭酸ガス吸収装置」はカニスタと呼ばれ回路の主な構成器具になります。

【おわりに】
今回麻酔器の構造・構成器具についてざっと紹介しました。
また、本文では触れることができませんでしたが、麻酔器の呼吸回路には小児用として使用されることも多い特殊形態のものもあります。特殊形態の呼吸回路使用時には回路のガス漏れ、チューブのつまり・ねじれや接続の取り違えがないように細心の注意を払わなくてはいけません。
麻酔器の構造をまず大まかに理解し、そのあと細かい部分について知っていくと良いでしょう。ぜひ参考にしてください。

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