歯の治療の最前線に欠かせないファイバースコープ

治療用機器

はじめに

どんな人でも病気やけがによる治療を避けることはできませんが、「歯医者は痛いから苦手!」という方も多いのではないでしょうか。
そんな歯の治療が少しでも楽になったらいいですよね。
そのカギを握っているものの一つにファイバースコープがあります。
今回はその治療法などをお話したいと思います。

歯周病治療に新しい技術登場!

歯磨きが不十分だったりすると、歯周病菌が増えやすくなります。磨き残しの汚れは付着して歯石となり、なかなか取り除くことができません。
さらに歯周病菌は歯と歯肉の間に入り込み、さらに増殖し歯根に歯石が広がっていきます。その状態が続くと歯を支えている骨がとけて重度になると歯がぐらぐらとしてしまい、抜歯しなくてはあごの骨などに影響が出てしまいます。
歯周病は年齢とともに増加傾向にあり、30代以上で実に80%の人が(軽度も含めると)歯周病であるとのデータもあるようです。

軽度の場合、歯と歯肉の間の歯周ポケットの歯石を取り除きます。
しかし進行によりもっと深くまで歯石があったり、場所が奥歯だったりすると歯石を取り除くことが難しく、歯茎を切開する手術を行わなくてはいけませんでした。

そこで登場したのが歯科用内視鏡「ペリオスコピーシステム」です。
直径1㎜にも満たない(直径0.98mm)ファイバースコープを歯周ポケットに入れ、実際に患部の様子をモニターで見ながらペリオスコピーエキスプローラのシールド先端で歯石を除去します。洗浄液を送水することができるペリオスコピーファイバーシースがそれらを保護する役目をしています。
こう書くとバラバラないくつかの器具のように聞こえますが、「ペリオスコピーファイバー」「ペリオスコピーエキスプローラ」「ペリオスコピーファイバーシース」は一体となった非常に小さな器具で、これにより歯茎の切開手術を行わなくても歯周ポケット深部の歯石を取り除くことが可能になったのです。

歯科で活躍するファイバースコープ

歯の治療以外にも、歯科では耳鼻咽喉ファイバースコープを鼻から入れた状態で食事を患者さんにしてもらい、嚥下(飲み込み)状態を確認する検査があり、それを嚥下内視鏡検査といいます。この検査は場合によっては在宅または施設で検査することもできます。

まとめ

歯周病治療のペリオスコピーシステムは、2001年から採用され手術をしなくても済むことによって患者さんの負担も減りました。
まだペリオスコピーシステムを導入しているところは限られていますが、普及すれば「歯医者は苦手」ということがなくなる日も近いかもしれません。

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