手術台を中心に手術室の清掃についての確認事項

治療用機器

手術台の清掃とは、単に綺麗にするばかりではありません。この清掃が持つ役割には、患者さんに対する安全と信頼をゆだねる根拠として、重要な位置づけになっている事を留意しましょう。今回は、手術台を中心にした手術室の清掃についての確認事項を紹介しましょう。

手術台の清掃の重要性

手術の多い病院では、1日に数回も手術室の使用が行われています。これは、医療の進歩も大きく関係を果たしており、手術時間が短縮される事で、手術件数の受け入れが可能になった事です。

医療技術の発展、手術の実績と安全が図られた事によって、多くの手術が可能になり、手術の増加に繋がっています。その為、手術室を増やしたり、手術室の使用回数を増やしたりして対応しているわけです。

これによる、手術室の清掃はその後の手術に備える為に、短時間で清掃を行う事と、感染症対策に対応した安全性のレベルを確保する事が求められているのです。直接的に患者に触れる手術用具は勿論ですが、患者が長時間の滞在を余儀なくされている手術台においては、特に念入りに注意すべき重要項目になっています。

手術台および手術室の清掃業務

手術室の環境整備を総合的に行う事が求められています。手術台も特に重要な部分となっています。

1.手術室の床や壁と天井の清掃、手術台や大型医療機器および無影燈などの表面環境の清掃、手術に関連する身近な環境の清潔と安全性を確保した準備や清掃を行う事です。

2.空調の管理
手術中の体調や機器の影響を考えた温度と湿度管理が影響しているので、十分な管理を行います。

3.手術室外の廊下や壁の清掃
患者に付着した血液や体液などから発生する細菌やウィルスの消毒などを徹底する事です。

手術の前後における清掃の注意点

手術台を含めた手術室の使用の前後や、手術と手術の間の清掃について注意点を各々確認しましょう。

①.手術前の清掃について
毎朝、あるいは手術開始前において、点検と始業時の清掃を行う事とします。特に、手術台とその周辺においては、清潔に清掃された状態である事の確認を行って、医療機器やモニターの周辺の汚れや破損の有無を確認します。

使い捨てのクリーニング用の布を使用して、人体に無害なアルコール消毒やアルカリ消毒などを行い、人体に影響のある次亜塩素酸ナトリウムは使用する濃度を確認しながら、床や壁と医療機器などの消毒に使用します。

②.手術間の清掃について
患者の入れ替えを行う手術台においては、特に注意が必要になります。清掃する前には、感染症処理廃棄物のマニュアルに従って、廃棄物を収集と搬出を行います。その後の清掃は手術台を中心に、天井や壁の清掃、医療機器の清掃を行います。

手術台はエタノール消毒などで、不繊布に浸して、マットなどのふき取りや手術台の隙間やくぼみに、血液や体液などが感染症の原因となるものや、破損にも注意しながら的確に清掃を行います。

場合によっては、マットの入れ替えなども必要です。最後に床の清掃を行いますが、手術台の周りの120cm以内を重点的に消毒を行います。人体に影響のある次亜塩素酸ナトリウムは使用する濃度を調整しながら清潔に保つ事と、細菌の滅菌度合いの確認にも注意しなければならないのです。

③.手術後の清掃について
最後の清掃として念入りに清潔と感染症に注意した取り組みを行う事です。手術間の清掃では出来なかった細かい部分や場所、機器の細部に至るまで念入りに清掃します。

特に注意したい事は、手術台や医療機器の汚ればかりでなく、破損や不具合などの異常を確認する事が重要となり、いくら清掃しても破損があれば、そこから感染症の発生を招く恐れがある事です。また、人体に直接触れる手術台や医療器具は、人体の影響を考えた消毒液の使用に留意する事です。

④.定期清掃と専門業者による清掃
月ごとの清掃は看護師などの病院関係者によって行い、年に2回程度は、医療関連の清掃を専門にした業者に清掃を委託する事で、手の届かない天井や手術台、医療機器の細部の部品などの汚れに至るまでの清掃を実施してもらう事です。

まとめ

手術台の清掃は、手術室の環境衛生の上で最も患者に接する部分となっているので、患者の安全に配慮した清掃業務でなければならないのです。手術の前後や、数回使用する場合の注意点などだけでなく、消毒剤の使用も適した選び方を注意しなければならないのです。

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