レーザーメスの特徴について

治療用機器

腫瘍やほくろなどを切除する治療の際に、幅広い医療現場で使用されている「レーザーメス」。今回はレーザーメスの特徴(主に炭酸ガスレーザー)について説明していきます。

レーザーとは何か

レーザーは「light amplification by stimulated emission of radiation」の省略文字で、光反射の強制誘導放出により起こる光の増幅という意味になります。1920年頃に科学者のアインシュタインがレーザーの元となる考えを生み出し、1960年に物理学者のメイマンがレーザー光線を作り出したのです。色々な方向に進み、たくさんの種類がある自然光とは異なり、レーザーは1つの方向のみで進む1種類の光で出来ています。

体内に出来た腫瘍やほくろ、痔などを切除・焼灼・蒸発する事を目的とした治療法です。眼科・美容外科・歯科・獣医科などといった、幅広い医療現場にて使用されています。

レーザーメスの特徴について

レーザーメスは、手用メスと高周波を利用した電気メスよりも、治療の際の出血が少なく、術後の傷の回復も早いというのが1番の特徴です。1963年に世界で初めて治療に応用したのが「ルビーレーザー光」を利用した網膜の光凝固法です。その後、レーザーメスとしてよく使用されているレーザーは「炭酸ガスレーザー」となっています。

レーザーメスの種類

種類は大きく分けると3種類です。気体、固体、液体に分かれます。液体の頻度は少なくて特に利用が多いのが以下の3つです。

1.炭酸ガス(CO₂)レーザー
気体の媒質として水によく吸収される性質があり、生体組織での吸収率が高いです。

2.Nd:YAGレーザー
鉱石などの個体が媒質として、深部組織の治療に向いています。

3.半導体レーザー
金属の比率や原子を変えて異なる波長を出す事が出来、小型化が可能になりました。

炭酸ガスレーザーメスとは何か

「炭酸ガスレーザーメス」はさまざまな医療分野で広く使用されています。仕組みとしては、照射によって内部の水分が蒸発し、その破壊孔を利用して脱水・収縮・単価が起こる事により切開・切除を行います。

レーザー光線を当てていない細胞のダメージが少なく、術後の傷跡の腫れや痛みは軽減されます。とても小さな光線なので、眼や口の中などの細かい治療が必要な部位でも安心して手術する事が出来ます。

炭酸ガスレーザーを使用した手術の流れ

まず診察をして、症状を確認し、手術による効果やリスクなどの説明があります。その後、メイクや顔の汚れを落とします。5~30分以内で、希望があればクリームの麻酔を使い表面麻酔を行い、痛みを緩和していきます。そして5~10分で照射します。最後に専用軟膏を塗り手術は終了です。

炭酸ガスレーザーを使った手術の保険適用について

各地域の病院によって保険適用の定義が異なってくるので、参考程度にご確認下さい。悪性の腫瘍の可能性があるなどといった気になる症状の場合に、保険適用されます。美容目的でほくろなどを切除する場合は、自己負担となるので注意が必要です。

炭酸ガスレーザーの料金の目安について(保険適用の場合)

こちらも各病院によって料金が異なりますので、参考程度にご確認下さい。切除したほくろ1か所あたり2cm未満は5,310~5,910円、2~4cm未満は11,340~11,940円、4cm以上は13,410~140,100円となります。上記の金額は採決や診察台、処方箋代は含まれていない目安となりますので、ご注意下さい。

炭酸ガスレーザーの料金の目安について(美容目的の場合)

切除したほくろの3mm未満は10,000円、3~5mm未満は15,000円、5~10mmは20,000円となります。この料金の目安は、保険適用と同じく、腫瘍切除の手術台のみとなっているので、診察台や採決、処方箋代は含まれていませんのでご注意下さい。

まとめ

今回は炭酸ガスレーザーを中心にレーザーメスの特徴を説明しました。痛みを軽減し、傷跡も残りにくい治療法なのでほくろや腫瘍を切除したいと検討中の方へ、おすすめの治療法です。

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