手術台の高さについて

治療用機器

外科手術などには欠かせない医療器具である手術台。その台の高さは、執刀医の身長・どのような術式か・患者の体躯・手術する部位などの諸条件により変わってくるでしょう。しかし、基本的には術を施す医師が施術しやすい高さが一番になります。手術台の高さについて述べていきます。

手術台の色々

台には様々な種類があり、汎用性のある万能型の台と専門的な術式台があります。前者は文字通りあらゆる術式に対応してつくられた台です。後者は、例えば眼科用や婦人用など、ある術式に特化した台です。

近年は台もハイブリッドなものも出ており、台に併用して外科用X線TVシステムなど使用して手術中でも360度患者の身体を観察でき、状況に合わせて調整できるものもあります。

また、手術台の支柱埋込方式という形もあり、従来は台にキャスターが付いて、手術室から手術室へ手術台を移動して術を行っていました。しかし、この「支柱埋込方式」は手術室中央の床に支柱が埋め込められ固定されています。

自由に台のみを術目的に合った台と交換することにより、移動の労力を省いて台を換えることにより1台で様々な術式が行え、手術室の準備も容易になりました。

手術台の高さ

万能型の台は、高さが自由に調整できるものも多くあります。前に述べたように高さは諸条件によって変わります。執刀医がその術を一番施術しやすい高さがベストではないでしょうか。部位を見やすく施術するのに、最も適した高さに自由に対応できる台がよいでしょう。

小児外科手術台のレッグサポートシステム

近年は、小児科外科手術において、手術台に足などをサポートするシステムがあります。このサポートシステムは、例えば小児泌尿器科手術においての砕石位の位置において長時間の安定的でなおかつ安全な固定を具現化して、簡便な位置決めで執刀医の最適な視野を確保すること、技術的・長時間におよぶストレス解消に役立っています。

〇このサポートシステムの特徴
1.手術台の遠端に小児の臀部を置くことができます。
2.手術野で執刀医の視野が良くなることで、合併症リスクが減ります。
3.術中、小児の脚をより安定的で安全な位置に固定できます。
4.術中、無菌状態で下肢の位置が簡単で、かつ安全に変えることが可能・他の術式への移行
(例:腹部から会陰部)がスムーズにできます。
5.標準的な全ての手術台のサイドレールに合っています。
6.レーザーポインターを使い小児の脚の位置に応じた高さや配置の調整が可能です。

まとめ

手術台の高さについて書いてきました。台の高さは執刀医の身長などその他の諸条件によって変動すること、その変動に対応する台があること、また小児外科の手術台サポートシステムについて述べました。医療器具は日々進化しています。発達した医療機器が、従来では無理であった術を可能にしてくれています。

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