ファイバースコープによる大腸内視鏡検査の流れ

治療用機器

ファイバースコープによる大腸内視鏡検査はカメラと光源を備えた軟性のスコープを肛門から挿入して大腸の粘膜を観察します。
これにより大腸の炎症や出血、ポリープなどの診断に役立てることができます。
悪性腫瘍の疑いがある場合には硬性スコープで検体を採取して顕微鏡検査を行うことで確定診断をすることが可能です。

○大腸内視鏡検査とは?
大腸とは、直腸および結腸(S状結腸・下行結腸・横行結腸・上行結腸・盲腸)を指します。
大腸内視鏡検査では、身体の外側から肛門・直腸・S状結腸・下行結腸・横行結腸・上行結腸・盲腸・終末回腸と小腸の末梢まで観察を行います。
最近では鎮痛剤・鎮静剤を使用して苦痛のない検査を行う病院やクリニックがほとんどです。

○大腸内視鏡検査の流れ
●検査までの食事について
大腸内視鏡検査を行う場合には原則として検査前日の20時以降は絶食となります。
水やお茶は飲んでも大丈夫なので併せて説明しておきます。
きのこや海藻類などの消化が悪い食材や繊維質の多い食材は腸の中に残ってしまい、適切に検査ができなくなる場合があるため、2~3日前から摂取を控えて頂くように事前説明をしておきましょう。
当日の朝に服用する薬がないかどうか確認して、担当医師に相談しておきます。

●洗浄剤(下剤)について
検査前に洗浄液(下剤)1.5~2Lを1時間かけて飲用して頂きます。
この洗浄剤に抵抗がある方が多いのですが、最近ではニフレック、モビプレップ、マグコロールP、ビジクリア(錠剤)など味や服用量の異なる複数の洗浄剤を選択できる病院やクリニックが増えています。
これにより大腸内視鏡検査における患者様の抵抗感が軽減されたのは間違いないでしょう。
薬剤によって服用方法が異なるため、確実に説明ができるようにしておきましょう。
服用後は水またはお茶を飲水してトイレへ通って頂きます。

○ファイバースコープによる大腸検査
腸管内の洗浄が完了すれば検査開始になります。
検査着や検査用のパンツに更衣してもらう場合には更衣室へ誘導し、検査室へ案内します。
ファイバースコープを挿入する前に鎮痛剤・鎮静剤の静注をします。
検査の精度を高めるために腸管内に空気を送り、ファイバースコープを肛門から挿入します。
検査時間はおおむね30分で終了します。
モニターの映像はリアルタイムで患者様にも閲覧して頂けます。
中には気分が悪くなる方もおられるため注意して観察しておきましょう。
検査終了後は鎮痛剤・鎮静剤の効果でふらつきがある方もおられるため、移動や乗り移りに注意してベッドや椅子へ誘導します。
帰宅時は車やバイクの運転は避けて頂き、公共交通機関や送迎で帰宅してもらいましょう。

ピックアップ記事

関連記事一覧