レーザーメスの原理はどうなっている?

治療用機器

【はじめに】
外科手術も技術の進歩により、レーザーメスや電気メスを使うことも多くなってきました。
実際レーザーメスとはどのようなものでしょうか。
普段私達が見ることはほとんどありませんが、いつ何時お世話になるとも限りません。今回はレーザーメスについて説明したいと思います。

【レーザーメスとは】

レーザーメスとはレーザーの熱エネルギーを利用して外科手術や体内の腫瘍を焼灼(焼く
)させたり蒸発させたりする装置のことです。
主に使われているのは下記の2つです。
・炭酸ガスレーザー
二酸化炭素(炭酸ガス)を媒質とし、赤外線の領域の連続派・高出力のパルス派が出るレーザー。
・YAGレーザー
ヤグレーザーと読みます。Y(イットリウム)・A(アルミニウム)・G(ガーネット)で構成された結晶に微量のレアアースを添加し、その結晶体を媒体に用いるレーザー。

また、レーザーは英語、メスはオランダ語なので「レーザーメス」とは和製英語となります。英語ではlaser knifeまたはlaser scalpelといいます。

【レーザーメスの原理】

レーザー光は単一波長です。そのため拡散度が大変少なく密度の高い光を照準に合わせることができます。
手術時に切開部分に照射するとレーザー熱で加熱し圧力が高まって、表皮が破裂することによって切開ができます。また、レーザー熱で血管は固まり出血は短時間で止めることができます。特に脳や肝臓など複雑で出血しやすい、圧迫や縫合の困難な臓器や組織を手術することに高い成果があります。
これらの切開・凝固・止血などは光波長や強度を調節することによって行っています。
この止血効果により、輸血量をレーザーメスで行わない場合に比べ(今までの金属のメスと比べると)輸血量は数分の一に抑えることができ、手術をより安全に行うことができるのです。
さらに直接器具を患者の体に触れずに治療ができるので感染の心配もありません。止血をする手間もだいぶ省けるので時間の短縮にもつながり、手術による縫合も少なくなることから術後の痛みを減らすこともできます。

この効果があることから、体の内臓を手術する一般的にイメージされる大きな外科手術のほかにも眼科や歯科、あざなどの治療に皮膚科や美容皮膚科など様々な治療に使われています。

【まとめ】

金属のメスと比べて、このような効果があるとともに、レーザーメスを機械データで管理することにより手術ミスも極力減らすことができます。さらに現在ではがんなどの治療にも使われ研究が進んでいることから、近い将来もっと様々な病気が簡単に治る時代が来るかもしれませんね。

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