ファイバースコープ(内視鏡)による手術とは?種類とメリット

治療用機器

【はじめに】
最近では、ファイバースコープ(内視鏡)を使った手術も行われるようになりました。
なんとなく便利そうだけれど具体的にどのように手術するかはなかなか想像がつきませんね。今回はその種類やメリットについてお話したいと思います。

【ファイバースコープによる手術の種類】

ファイバースコープとは、光ファイバーを束にしたひも状のもので、その一端にレンズがついています。医師は、患者の体内にある患部をモニターで見ることができます。
ファイバースコープを使った手術は主に2種類あります。

・胃や大腸の患部を直接切り取る内視鏡手術
ファイバースコープの先に手術器具がついていて、患部をモニターで見ながらポリープの切除などができます。20~30分程で手術を終えることができます。
・内視鏡外科手術(腹腔鏡手術、腹腔鏡下手術)
腹腔(お腹)・胸腔(胸)・後腹膜腔(腹膜の外側、背中側)などで患部のあるところに直系0.5~1cmの小さい穴を数か所開けます。そこにファイバースコープのビデオカメラや手術器具を入れて、外科医はモニターを見ながら手術を行います。

いずれも昔は開腹手術でしかできませんでした。しかしファイバースコープの登場で、より患者への負担を減らすことができるようになりました。

【内視鏡外科手術のメリット】

胃や大腸の患部を直接切り取る内視鏡手術でも手術による傷が少なく短い時間で終わるというメリットがあります。
内視鏡外科手術も同様に手術での傷が少な入院期間が開腹手術より短くなるというメリットがあります。
ほかにも重要なのはこの方法ではお腹の中に二酸化炭素のガスを入れ、膨らませながら手術を行うことです。密閉した空間で手術を行うため、開腹手術と比べると空気に胃腸などの内臓が触れることがありません。
手術後には胃腸の活動は早く回復します。そのため、患者が早く食事を取れるようになり全体的な回復も早まるということがメリットです。
他にも、ファイバースコープによるモニター映像は細部まで映るためより正確に手術がしやすくなります。

【内視鏡外科手術のデメリット】

ファイバースコープのモニターの映像は二次元であるため、高度な技術を必要とし、手術時間は長くなることもあります。内視鏡外科手術は外科手術ができる全ての医師ができるわけではありません。また手術中に思ったより症状が悪い状態であると開腹手術に切り替える必要があります。

【まとめ】

ファイバースコープによる手術は、開腹手術のようにお腹などに大きな傷をつけるという患者の恐怖心を和らげる効果もあります。傷跡も治りやすくなり手術による入院期間が減ることから金銭的な負担も少なく、これからもっと技術が進めば大きな病気も治せるかもしれません。

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