医療用レーザーとは。種類にはどういうものがある?

治療用機器

最近、医療で多く取り入られているというレーザー。たとえばレーザーメスとはひとまずレーザーがメスになっているということはわかるものの、いったいどういうものなのかあまり知る機会はありません。今回は、医療レーザーの種類についてお話したいと思います。

【医療用レーザー】

医療用に使われるレーザーは大きく2つの種類に分けられます。
①高出力レーザー:組織を切開・切除したり、血液を凝固することなどができます。
「レーザーメス」と呼ばれるものはこれに該当します。

②低出力レーザー:血行を促進したり、筋肉の緊張を和らげたり、免疫力を強化するなど生体を活性化する医療行為を行います。

そして、主な種類が以下のようになります。

◎気体レーザー:外科手術でレーザーメスとして使われます。
炭酸ガスレーザーの熱圧力効果で、組織中の水分を揮発し病変組織を切除します。
(1)CO2レーザー:気体レーザーの中で代表的なものです。
血管腫・胃の切除・皮膚がん・心臓・心血管手術・口腔がん・口腔粘膜疾患・しみなど様々な分野で使われています。
(2)He-Neレーザー/Ar+レーザー:胃潰瘍・網膜剝離・網膜変性などを治療します。

◎ランプ励起個体レーザー
(1)Nd:YAGレーザー:イットリウム・アルミニウム・ガーネットの結晶にイオンのネオジ ウムを混合させたものを媒体にしています。
出血性疾患の止血、血管病変に使用します。
さらに内視鏡と組み合わせて肺・消化管・膀胱の内部の腫瘍、鼻の粘膜の炎症によりできる腫瘍などの治療をします。
(2)ルビーレーザー:強い光を瞬発的に出して異常な組織を破壊します。
ルビーレーザーの赤い光を吸収しやすいメラニン色素の特徴を利用し、しみ・ほくろ・そばかすの除去、脱毛、刺青の除去に使われます。

◎色素レーザー(ダイレーザー):血管腫の治療・静脈瘤の改善・毛細血管拡張症の治療に使われます。

【レーザー治療のリスク】

レーザーを用いる治療はレーザーの熱で行うため、やけどなど跡が残る可能性もあります。
美容外科などでしみ・ほくろなどの治療を考えている人は、そこが信用できる能力のある医師か確認した方がよいでしょう。まして病院の医療技術を正式に持っていないところでレーザー脱毛などをするのは大変危険な行為です。

【まとめ】

医療用レーザーによって、傷口を小さくしたりなど患者の負担を減らし、様々な医療行為ができるようになってきました。まだ万能とはいえませんが、事前に医師の説明をきちんと聞けばそれほどの心配はないでしょう。特に手術では物質的な刃物ではなくレーザーメスを使うなど今までにないメリットが増えました。これからもレーザー医療の進歩が期待されています。

ピックアップ記事

関連記事一覧