止血にはどんな種類がある?レーザーメスを使った止血など

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【はじめに】
負傷や疾病などで体内から出血した際に血液の流出を防ぐのが止血法の目的であり、特に動脈出血などの大量の出血が予想される局面では早急な止血が求められます。
今回医療の現場で活用される様々な止血法について紹介していきます。

【一時的止血法と永久止血法について】

まず紹介したい止血法は「一時止血法」と言って応急的に行われる止血法になります。
以下4種類の一時止血法について紹介していきたいと思います。

・指圧法
出血した箇所から心臓部に近い方の太い動脈を指で強く押し圧迫して止血する方法です。

・緊縛法
四肢の大出血の際に出血部より心臓に近い方を縛ることで止血する方法です。
使用するヒモは帯状に太いものを使い、神経麻痺などが起こらないよう30分ごとに緩めながら行う必要があります。

・タンポン法
出血部分の傷が深いケースで圧迫による止血が難しい場合キズにガーゼなどを詰めて止血する方法になります。

・圧迫法
出血部などをきれいなガーゼや布で直接圧迫して止血する方法になります。

次に「永久止血法」についてお伝えしたいと思います。
・結紮法(けっさつほう)
コッヘルなどの止血鉗子を用いて出血している血管を挟み縫合糸でつないで止血する方法です。周辺部位の組織を一緒に縫い結紮する集束結紮法や、血管の断端を鉗子でつまみ周辺組織まで一緒に結紮する周刺結紮法、縫合針を血管に刺し入れる貫通結紮法などがあります。

・血管縫合法
太い血管からの出血の場合、抹消血行が阻害されるケースがあるのでそのようなときに縫合して止血する血管縫合法が用いられます。

・焼灼法(しょうしゃくほう)
傷口を焼灼して止血する方法です。従来の電気メスに代わって、レーザーメスやマイクロ波、超音波メスを使って焼灼するケースが増えています。

・止血薬
結紮や縫合での止血が難しい場合には局所止血薬を使って出血を防ぎます。
トロンピン粉末、オキシセル、フィプリンフォーム、ゼラチンスポンジ等が止血薬として使われます。
また少ない出血の場合にはガーゼに食塩水を浸し、圧迫することで止血する作用もあります。さらに骨髄などからの出血の場合には止血薬をコラーゲンシートなどに固着させて止血を試みます。

【まとめ】

人間の体は、全血量の三分の一ほどの失血で命に関わるとされています。出血法などによる出血のコントロールは術後の回復具合を左右するともいわれています。
止血の仕方をきちんと理解し医療の現場で活用することが大切です。参考にしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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