レーザーメスにも応用されている!?レーザーの基本原理

治療用機器

【はじめに】
医療の分野でレーザーは、レーザーメスとして使用されることもあります。
この原理としては、レーザー光線の熱によって組織の非特異的な破壊を目指したものになります。

今回、レーザーメスの原理ともいえる医療用レーザーの仕組みや注意点、応用される分野などについて紹介していきたいと思います。

【光線力学的療法として使われるレーザー】

このタイプのレーザーを使った治療法はがんの治療などに用いられることが多く、患者に光感受性物質を注入し、2~3日たった後にレーザー光を照射してがん細胞を壊死させる方法がとられています。
この時患者に注入した薬品の励起波長と一致する波長のレーザー光を当てていくのですが、正常の細胞にはほとんどダメージを与えずがんの新しい治療法として注目を集めています。

【レーザー使用上の注意点】

レーザーメスにも利用されるレーザーを生み出すためには媒体となる物質が必要です。
これらの物質の持つ特性などによってレーザーの波長や名称が異なってきます。
レーザーを医療機器として応用するとき、この波長の種類によって使用目的が変わりますので媒体となる物質を誤ってしまうと重大事故につながりかねません。

例えば、皮膚の治療や脱毛に使われるレーザーとして「ダイオードレーザー」。
シミやあざの治療に使われる「ルビーレーザー」など用途に合わせて色々と種類があります。

【レーザーの原理】

レーザーメスにも使われているレーザーの原理を簡単に紹介したいと思います。

原子核の周りには電子がまわっていて、その電子が高い位相から低い位相に移動するときエネルギーが放出されます。これを自然放出といいます。このエネルギーの放出によって発生する光は波長も位相も一致していない様々な光が含まれます。

一方レーザー光といわれる光は自然放出とは違い、外部の量子の作用によって強制的に放出される光(誘導放出)で、媒質の中を通ることによって光が増幅していく特徴を持っています。

つまりレーザー光の原理をまとめると「誘導放出が原理となった光の増幅」ということができます。

【まとめ】

いかがでしたか?レーザーメスにも応用されているレーザーの原理は「光を励起された媒質の中を通過させることでできる光の増幅」といえます。またレーザー光には「可干渉性」、「高指向性」「単色性」「高出力性」といった特徴もあります。レーザー使用上の注意点などをしっかり確認し、医療の現場で役立ててください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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