メスだけじゃない!医療で利用されているレーザーの種類

治療用機器

【はじめに】
「医療」と「レーザー」の言葉の組合せでイメージできるのは「レーザーメス」が一般的ではないでしょうか。
しかし、レーザーを利用しているのは何もメスだけではありません。
皮膚科や美容外科などで行われるレーザー治療、眼科のレーシック手術といったようにレーザーはさまざまな医療の場で利用されています。
そこで今回は、医療で利用されているレーザーの種類について紹介していきます。

【医療用レーザーとは】

医療用レーザーとは、レーザーが単一の波長の集まりであること、その波長が規則正しく連続していることなどの特徴を使って治療・診断をするものです。
治療ではそのエネルギーを熱として、診断では情報取得のためにレーザーは用いられています。
そして、治療で使われる医療用レーザーは大きく2種類に分けられます。
それは、高出力レーザーと低出力レーザーです。
高出力レーザーはレーザー光の熱を利用します。その熱で疾患に冒されている細胞を焼き切ったり、破壊したりする治療が施されます。そのため、外科用メスとの置き換えができ、外科用レーザーと呼ばれたりもします。
低出力レーザーは血行促進、免疫力強化、筋肉を和らげるなど、細胞に刺激を与え活性化させることに用いられています。そのため、細胞活性レーザーともいわれています。
これらのレーザーは体への接触が非常に少ないうえ、手術で傷つける面積が最小限ですむという優れた利点を持っています。そのため、医療現場での需要が高まってきています。

【使用されるレーザーの種類】

レーザーはさまざまな科で使用されています。
ここでは眼科と外科で使用されるレーザーの主な種類と用途を見てきましょう。
まずは、いち早くレーザーを取り入れた眼科から。ここで使用されるレーザーの主な種類を紹介します。
眼科ではルビーレーザー、ファイバーレーザー、エキシマレーザーが使用されています。
ファイバーレーザーの用途はレーシックのみですが、他の2つはレーシック以外の用途でも使用されます。それは、網膜剥離やレーザー光凝固です。ちなみに一番使用用途の幅が広いのはエキシマレーザーです。

次は、レーザーメスが最も知られているであろう外科です。
外科では主に4つのレーザーの使用があげられます。
それは、CO2レーザー、アルゴンレーザー、半導体レーザー、Nd:YAGレーザーの4つです。CO2レーザーはレーザーメス、花粉症、がん治療などに使用されています。アルゴンレーザーの用途は、光線力学療法です。
半導体レーザーは内視鏡による外科手術で凝結、止血、切開を行います。また、いびき治療などにも使われます。
Nd:YAGレーザーはアレルギー性鼻炎の他に、内視鏡による外科手術といびき治療といった半導体レーザーと同じ用途があります。
ここまで見れば、眼科と外科だけでも数種類のレーザーがさまざまな用途で使用されているのが分かると思います。

その他にもレーザーは歯科、皮膚科、形成外科でも使用されています。その中でも特に歯科と皮膚科はレーザーの種類も用途も豊富です。

【まとめ】

レーザーは、その特性からメス以外にもさまざまな形で取り入れられています。
今後も患者の負担を軽減するなどの理由からその需要は高まっていくことでしょう。その動向を追いつつ、必要であれば導入を検討してみてください。

ピックアップ記事

関連記事一覧