上腕式血圧計の正しい測り方

生体現象測定記録・監視用機器

はじめに

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管に与える圧力のことで、通常は動脈、それも上腕部にある動脈にかかる圧力のことをいいます。
このうち、心臓の筋肉が縮んで血液を送り出すときの圧力を最高血圧、逆に心臓の筋肉が最も緩んで広がったときの血圧を最低血圧と呼びます。
血圧計は、この最高血圧と最低血圧を測るための機械で、一般的には上腕部に装着するタイプのものと、手首部分に装着するタイプのものがよく知られています。
このうち、上腕部に装着するタイプの血圧計は、比較的正確な測定が行えることもあって、家庭での測定用として日本高血圧学会が推奨しています。
今回は、この上腕部に装着するタイプの血圧計について、測り方などを説明します。

正しい測り方

正しい血圧値を知るためには正しい測定方法を知る必要があります。以下に紹介します。

毎日同じタイミングで

血圧の値は一定ではなく、一日の中でも変動を繰り返します。
このため、毎日同じような時間に測って、長期にわたり記録し続けることが大切です。
日本高血圧学会は「朝晩それぞれ決まった時間に2回ずつ血圧を測り、各々の平均値を記録していく」ということを推奨しています。
朝は、朝食を食べたり、薬を飲んだりする前に、夜はお風呂に入ってから1時間以上経ってから、測るようにしましょう。

正しく装着する

厚手の上着などを着たままで血圧計を装着すると、測定値に影響を与えます。
上着は脱ぎ、薄めの肌着かもしくは素肌の上に直接血圧計の腕帯(カフ)を装着するようにしましょう。
そのとき、腕帯のエアチューブは腕の内側(手首側)の中心に来るようにします。
腕帯は締めすぎない程度で、すき間ができないように巻きましょう。
なお、血圧を測っている間、腕には力を入れないようにしてください。

正しい姿勢でリラックスして

血圧は、測定する前の心身の状態によって大きく変化しますので、正しい姿勢でリラックスして測ることが大切です。
血圧を測るときは、背もたれ付きの椅子に背中を軽くもたれるようにして足を組まずに座り、血圧計の腕帯が心臓と同じ高さに来るようにします。
そのとき、机のあるところで測るようにし、その上に腕を置くようにして安定させるといいでしょう。
部屋の温度も血圧に影響します。
暑すぎないよう、寒すぎないように調節しておくようにしましょう。
測る前には深呼吸を数回しておけばベターです。
深呼吸をする際には、息を吸うときにかける時間よりも、息を吐くときにかける時間のほうを長くするのがコツです。
そうすることで自律神経の副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。
また、トイレも測定の数分前までに済ませておくようにしましょう。

最後に

血圧は正しい方法で毎日測り、記録し続けていくことが大切です。
測り方について不明な点があるときには、かかりつけのお医者さんで聞いたり、医療器メーカーなどが提供している動画などを参考にしたりして、正しく測るようにしましょう。

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