呼吸機能とベットサイドモニター呼吸数の信頼性とは

生体現象測定記録・監視用機器

ベッドサイドモニターは病院内の手術室・集中治療室・病室などで使用されます。最近は機器の小型化が進み、在宅においての使用も広まってきました。
ベッドサイドモニターは心電図、血圧、脈拍数、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)、呼吸数、炭酸ガス濃度、体温、心拍出量、心係数、注入液温度、血液温度、脳波などをリアルタイムに測定することが出来ます。
今回は「呼吸数」について解説していきます。

○呼吸の正常
呼吸とは酸素を取り入れて代謝物である二酸化炭素を排出することで、生命を維持するためには必要不可欠な活動です。
呼吸の観察ポイントは以下の通りです。
①呼吸数
②呼吸の深さ(換気量)
③呼吸音
④呼吸リズム
この他に経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)や自覚症状、チアノーゼの有無をみて呼吸状態のアセスメントをしていきます。
呼吸数(R、RR)は1分間の呼吸回数を測定します。呼吸数の正常は12~20回/分で1回換気量は400〜500mLとなっています。

○異常呼吸
呼吸の異常は数・深さ・周期が正常と異なる値を示します。

・頻呼吸…呼吸数25回/分以上、1回換気量400〜500mL。
発熱や興奮、心不全でも出現することがあります。

・徐呼吸…呼吸数12回/分以下、1回換気量400〜500mL。
睡眠薬の投与や脳圧亢進症で出現することがあります。

・過呼吸…1回換気量が増加。正常でも運動後などに現れます。
貧血や甲状腺機能亢進症で出現します。

・減呼吸…1回換気量が減少。
呼吸する筋肉の機能低下や胸郭の可動性低下で出現します。

・多呼吸…呼吸数20回/分以上、1回換気量500mL以上。
二酸化炭素の蓄積や胸水の貯留で出現します。

・少呼吸…12回/分以下、1回換気量400mL以下。
呼吸停止の直前で現れることがあります。

・チェーン・ストークス呼吸…漸少で不規則。休止期がみられる。
1回換気量1000mL以下。心不全や尿毒症で出現します。

・クスマウル呼吸…呼吸数20回/分以上、大きい呼吸では1回換気量1000mL以上。
糖尿病や尿毒症などの昏睡状態時に出現します。

・ビオー呼吸…不規則で1回換気量1000mL以上。
同じような呼吸が数回続いた後に呼吸停止を伴います。

○ベッドサイドモニターでの呼吸数測定の信頼性
ベッドサイドモニターでは多くの機器で呼吸回数を測定して呼吸状態の波形も表示することができます。
呼吸数を測定する構造は、身体に装着した電極間の電気抵抗の変化を検知してその変化で呼吸回数を測定するというものです。
そのため身体の体動を感知してしまい、表示される呼吸数と実際の呼吸数が一致しないこともよくあります。
呼吸数に異常がある場合にはモニター測定だけではなく実際に測定することで信頼性の高い値を得ることが出来ます。

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