CT装置とはどういうもの? ~アレルギー体質やヘリカルCTについて~

生体現象測定記録・監視用機器

放射線科の検査において欠かすことができないのが、CT装置を伴う検査です。患者さんの健康を確認しながら、異常を見つけやすくするという重要な役目を果たしています。今回のお話は、大きな病院に必ず常置しているCT装置について紹介しましょう。

そもそも、CT装置って何ですか?

私たちが大規模な病院へ行くと、レントゲン室などといった部屋が個別に用意されていますね。今回のテーマであるCT装置もその一つで、検査や人間ドックなどといった用途でも使われています。人々の健康を陰ながら支えているという存在でも大きく、現在の状況を知るという意味でも重要な役割を果たしています。

この装置はコンピュータ断層撮影法(Computed Tomography)が正式名称で、わかりやすく言えばX線を使った検査方法の一つであるということです。ドーナツ状の測定装置を使い、大動脈や心臓などといった胸部や肝臓、腹部の内臓器官の検査をするときに使われます。

ヘリカルCTとは

基本的な構造については、先に触れたとおり測定装置を使います。その装置からX線を照射しながら検測し、患者さんの体をスキャンします。昨今、多く使用されているのは、らせん状に連続回転して撮影していく「ヘリカルCT」です。

このヘリカルCTによって、過去時間がかかっていたCT検査も短時間で検査できるようになりました。ただし、患者さんに関しては呼吸をしていると装置の動作に支障をきたす恐れがあり、少しばかり息を止めてもらうことを検測前にお願いしているわけです。

短時間にX線が高速回転するため、1回の息止めで撮影が可能になり楽に検査ができるようになりました。CT検査は、全身検査できるので病変をみつけるために重要な検査なのです。

検査方法

検査方法の種類については以下の通りとなっています。

①単純検査→後述する造影剤という薬を使わず直接検査を行うシステムです。

②造形検査→食後約3時間後に静脈から造影剤を注射してから、検査を行います。造影剤を使うことで、病変の存在や形態などくわしく描出されます。検査の内容によって異なりますが、検査時間は5分~30分程度です。

小さい病変等については、通常の検査でも診断が難しくなることがあり、結果的には見落としとなるというリスクを伴います。しかし、この造影剤を注射しておくことにより、詳細の病変を抽出することができるため、全身検査をするときに使われることがあります。

ただし、アレルギー体質や気管支喘息等の病気をお持ちの方は要注意です。このような持病を持っている方は、造影剤による副作用が出現しやすくなるという報告がされているためです。そのため、過去の副作用やアレルギー体質があるかの確認はとても重要です。

まとめ

CT装置はX線を使った検査方法で、身体のまわりを回転して収集された情報を集め、コンピュータ解析する診断装置です。CTでの検査の場合、撮影が短時間ですみます。輪切りの写真なので死角がほとんどなく、小さな病変も描出することが可能です。

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