人工呼吸器の低圧アラームとは?

生体現象測定記録・監視用機器

人工呼吸器のアラームには様々な種類があり、そのアラームによって何を知らせているのか違ってきます。大まかなアラームの違いはありますが、患者さんの状態なのか・機械の異常なのかは原因を探らなければなりません。沢山のアラームの中で、今回は低圧アラームに着目してみましょう。

アラームの種類と仕組み

主なアラームの種類と一般的な呼び方

【救命的なアラームの場合】
〇低圧アラーム=気道内圧下限(低下)アラーム
〇低換気アラーム=分時換気量低下アラーム
〇無呼吸アラーム

【合併症予防アラームの場合】
〇高圧アラーム=気道内圧上限アラーム
〇呼吸回数上限アラーム=換気回数上限アラーム

【本体の異常の場合】
〇酸素濃度アラーム
〇水位異常アラーム
〇電源アラーム
〇ガス供給アラーム

【加温加湿器の場合】
〇温度センサーアラーム

アラームの仕組み

アラームの仕組みは、換気作動中の異常を検出するように各種のアラーム機能を持っており、この機能は人工呼吸器本体に内蔵されているセンサーが呼吸器回路内の圧力の変化を常に監視しています。

使用する際に、任意で設定されたアラーム設定値の条件を満たした場合に作動するようになっています。呼吸器には、回線リークを直接的に検出することができません。その代わりに、そのような異常が発生した場合にアラームを作動させます。

アラームがなったら ~対処法~

〇作動したらすぐに対処すること。

〇作動したら、音を消し、表示を確認。音を消しても回復しない時は2~3分経ってからもう一度、音を鳴らす。

〇1人で対応が困難だと判断した場合は、すぐに応援を呼ぶ。

〇装置が異常である場合は、すぐに使用している人工呼吸器を患者さんから取り外し、手動式の蘇生器に切り替え後、予備装置にかえる。

〇原因をつきとめるのに時間が掛かる場合にも、手動式蘇生器にかえて換気の維持をする。

〇患者さんだけでなく、その周りの患者さんも不安にさせてしまうという事を念頭におき対処する。

低圧アラーム=気道内圧下限(低下)アラームとは

作動する原因としては、気道内圧が設定値に達していない場合に起こります。その主なものとして考えられるのは、呼吸回路・ウォータートラップなどの接続部分が緩み、また、加温加湿器やネブライザーなどの付属品が外れている場合など、チューブの亀裂や破損によるものチューブのカフ圧低下なども考えられます。

呼吸器回路以外の原因としては、患者さんの呼気努力が大きく増えた場合にも設定値を超えると作動します。

対応方法

〇患者さんの呼気努力による場合
一般的な設定値は、最高気道内圧の70%~80%に設定されます。患者さんの状態を確認後、設定が合っているかを確かめる。

〇気管チューブやカフの場合
チューブやカフが壊れている場合はすみやかに交換する。

〇回路が外れている場合
回路の外れを見つけたら、すぐに再接続する。気管チューブや気管切開カニューレが抜けていた場合などは、医師によって再挿管してもらう。

まとめ

人工呼吸器のアラームについて見てまいりました。アラームの原因をつきとめるには、日頃から人工呼吸器や呼吸器回路について使用法を熟知し、状況を把握できるようにする事と準備と訓練をしておくことが大切です。

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