手術台に使用するマットの選び方

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手術台は手術に使用される為、患者の安全への配慮が行われて、手術中の妨げにならないように準備が必要になる、重要な医療器材になります。手術時、患者の体勢に無理な負担がかからないようにしなければなりません。今回は、手術台に使用するマットの、選び方について紹介しましょう。

手術台に必要な機能とは

手術をする場合には、手術台の上に厳選されたマットレスを敷いて使用する事になります。手術台に合うように設計されている必要があるので、手術台のメーカーと同じ会社で用意される場合が多いようです。

重要視する事は、手術の施術箇所や手術時に必要となる態勢に合わせる事が求められるので、手術の時間によって引き起こされる、「褥瘡」に対応した機能が求められます。

褥瘡(じょくそう)とは、わかりやすく言うと床ずれの症状です。皮膚と骨の部分が、長時間において同じ部位が圧迫される事で起きる、皮膚のただれやできものにより、腐ったり穴が開いたりする症状で、ひどくなると慢性化して治りにくくなってしまうのです。

何故、褥瘡が起きやすいかというと、麻酔などによって長時間に及び同じ状態を、自分の意思では動かす事が出来ない為です。圧迫される箇所が原因となり、その症状に対する対策が必要となります。

手術台用マットの種類

長時間の手術に対応出来る事や、広範囲処置用のフルサイズのマットである事をふまえて、「体圧分散マット」を使用する事で、側臥位や腹臥位の体位の手術にも最適となるマットである事から、医療ガイドラインで推奨されています。

一方、分離式のベッドに対しては、手術の箇所ごとに個別でマットの入れ替えを行う事が、推奨されています。

材質の種類については、軟質ウレタンフォームやナイロン樹脂、ポリウレタンなどが、人体の負担を軽減出来る素材として使用されていて、帯電防止加工やX線を通過する種類や電気メスが使用出来る種類もあり、手術に応じたマットの使用を選択出来るようになっています。

手術台用マットの管理

マットの構造上、患者の体液を吸収しないように、簡単に拭きとれるようになっていて、術後の清掃を素早く処理出来るように作られています。清掃する場合には、手術による血液の付着や薬剤を綺麗に拭きとった後に、消毒用アルコールで滅菌して使用前の状態に戻します。

消毒液の濃度や長時間の使用が形状に影響を及ぼす恐れがあるので、使用上のルールを守る事に注意しましょう。保管方法は水分の拭き残しがないように綺麗に拭きとり、乾燥状態を保って、高温多湿を避けて保管します。

手術の前と後の保全状態の確認を行い、破損や劣化に細心の注意を払うように点検を行います。

まとめ

手術中の患者の体調管理や安全にも配慮しなければなりません。特に、手術台を長時間使用の場合は、局所的に集中する圧迫による「褥瘡(じょくそう)対策」が1番の課題となっており、快適に使用される事と安全に使用される事も含めて、マット選びが重要になっているのです。

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