心電図の清掃について

生体現象測定記録・監視用機器

患者さんを迎えての診察をするのに欠かせないのが、心電図などといった各種医療機器類です。しかし、一度使ったらそのままほかの患者さんの診察などに使うのは衛生的にもよろしくありませんし、医療感染のリスクは避けて通れない問題へと発展します。今回は、心電図の清掃についてお話ししましょう。

心電図の清掃

医療機器類に限らず、使い終わったらその都度掃除や点検をすることでリスクを回避し、常に良き状態で診察や検査などを迎えるためにも欠かせないのです。壊れた部品については交換したり、修理したりする事が必要になるでしょう。

医療機器のほとんどは感染対策や清潔を保つ必要があるため、日常の清掃と消毒および滅菌を重点的に行う必要があります。

心電図計測には、モニターや吸着電極などと付属するコード類がありますが、それぞれの構造の違いで、消毒や清掃によって、変形やサビ、故障に繋がらないように十分に注意する必要があります。四肢電極の装着や単極四肢誘導と胸部誘導の12個の吸着電極によって標準12誘導心電図の計測が行われます。

ホルター心電図の場合は、24時間の計測が必要となり、電極を胸の5ヵ所に付けて短時間で発見できない不整脈を調べることが可能です。

1.ディスプレイの清掃と消毒

エタノールやイソプルピルアルコールを含ませた布を使用してふき取りましょう。ガラスを使用しない機種においては、柔らかい布で、エタノールを含ませてふき取りましょう。機械内部へ消毒液や水分がしみ込まないように液ダレに注意します。

2.外装の場合

清掃や消毒に使用する薬品は以下のいずれかを使用します。
〇グルタールアルデヒド液が2%
〇塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液が0.5%
〇塩化エンカベンザルコニウム液が0.2%
〇塩化ベンゼトニウム液が0.2%
〇グルコン酸クロルヘキシジン液が0.5%

3.電極コードと中継コードSpO2(血液中にどの程度の酸素が含まれているか飽和濃度)のコード

〇グルタールアルデヒド液が2%
〇塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液が0.5%
〇塩化エンカベンザルコニウム液が0.2%
〇塩化ベンゼトニウム液が0.2%
〇グルコン酸クロルヘキシジン液が0.5%

4.ホルター心電図の注意点

清掃や消毒は、通常の心電計と同じように取り扱いますが、滅菌においては、変色や腐食の原因となる場合があるので使用できない場合があります。クリーニングは、電池を取り外してから、柔らかい布で清掃することです。消毒用アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール)をガーゼや脱脂綿を含ませてよく絞ってから使用します。

気を付けるべき項目

清掃を行う前に確認しておくべき項目は、電源を切ってからケーブルやリード線を装置から取り外しているか目視確認をしましょう。それを怠った場合は掃除のしづらさはもちろんのこと、装置にまで悪影響を与えるリスクが高くなります。
※一部の清掃方法を確認しましたが、まずは使用してよい消毒剤かは取扱説明書参照のこと

これらの掃除が終わったら十分な乾燥をもって清掃完了です。

まとめ

心電図の清掃についてお話ししましたが、医療機器類全般において、常にきれいな状態で清掃しておくと安心して検査などが受けられますし、病院の医師などが丁寧に清掃をしているといった行為が、安心できる質の高い医療を提供し続けているわけです。

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