心電図計測器の正常に扱う為の保守点検の方法について

生体現象測定記録・監視用機器

心電図検査とは、病院などで健康診断を行う場合に検査する場合や、心臓疾患に疑いを持っている場合に必要とされる検査です。心電図検査は、電気信号を記録するような医療機器として重要な役割を担っていますので、正常に扱う為の保守点検の方法について紹介していきましょう。

心電図でわかる事

現在、病院で行われる心電図検査は12誘導心電図によって検査を行っており、痛み、放射線被ばく、時間的拘束などが無いので、患者に負担をかける事も無く検査が可能になっています。

すぐに波形記録を確認できる事や、得られる情報量が多いので、短時間の検査が可能ですが、場合によっては24時間検査による「ホルター心電図」による計測が必要な場合があります。

心電図検査では波形が記録される事によって、「正常」波形や「異常」の波形を診断する事で、「不整脈」の診断に役立てます。

このように正確に判断基準を下すような精密機械を扱う為には、日頃からの適正な保守点検が必要となるのです。

心電図計測器を正常に扱う為の保守点検

医療機器を正しく動作させる為には日頃からの日常的な点検を必要とします。また、医療機器の専門的な定期点検が必要になってきます。

1.日常点検による動作確認

電源を投入前にやっておくべき項目について確認していきましょう。

〇誘導コードなどの付属品がある場合においては、必要な数と位置の確認を行い破損やねじれなどの支障になるような点検が必要です。
〇記録紙の補充が十分に用意されているか確認します。
〇吸着電極に破損や変形や汚れを確認します。
〇ファストクリップのバネの強さは適正であるか調べます。
〇清掃や消毒の確認と、乾燥状態での使用が必要です。
〇モニターや記録装置外観に傷や汚れが無いか、割れ具合について調べます。
〇装置に水などの液体が付着する事のないよう注意をします。
〇電源コードや誘導コードが確実に接続されている事を確認します。
〇電極の種類に新旧の差が生じないように確認します。
〇架台使用時のコードハンガのガタつきに注意します。

2.電源投入時および動作時の点検確認

〇電源ランプが正常に点灯するかの確認をします。
〇液晶ディスプレイの状態を見ます。
〇機器に対して電源時の、臭いや発火や発煙が無いかの確認をします。
〇装置の感電や発熱に注意します。
〇モニター画面などにエラー表示の確認をします。
〇日時表示や選択機能が正常なのか点検します。
〇電源時に周囲の機器に異常の有無を調べます。
〇操作パネルの使用具合や設定などの確認をします。
〇波形に対してノイズの有無を調べます。
〇操作中の異常な動作やエラー表示を認識する事です。
〇記録動作のひっかかりや蛇行などによる印刷のかすれや、ドットなどの細かい表示が正常である事の確認をします。
〇検査データの保存や読み込みが正しく作動する事を確認します。

3.終業時における点検項目

〇必要なデータをメモリーカードにて保存します。
〇電源のオフを必ず確認します。
〇外観装置に対して破損や変形や汚れを調べます。
〇電極類の清掃や消毒を実施します。
〇サーマルヘッドのマガジン内の汚れを落とします。
〇機器の周辺に薬品や水分などの確認を行います。
〇措置が濡れている場合には、綺麗に拭き取り乾燥させる事に注意します。
〇装置の状態が正しく保管できているかチェックします。

4.専門業者による定期点検の重要性

〇装置の外装のヒビ割れや破損の点検をします。
〇装置のネジのゆるみを確認します。
〇マガジンの開閉がスムーズにできるか点検します。
〇全ての部分において薬液の付着や汚れが無いかを見ます。
〇表示ラベルの記載内容が読み取れるかどうかの確認です。
〇付属品やコード類に、汚れや破損ねじれなどの点検をします。
〇接続する機器においてもヒビ割れや破損の確認をします。
〇架台使用時のガタつきやキャスターの動き、ロック機能の確認をします。
〇保護接地線の誘導や、電源コードの状態の確認をします。
〇電源投入時および動作時の点検確認をします。
〇日時や時刻、画面表示やランプの動作確認をします。
〇操作パネルのキーの動作を見ます。
〇心電図の表示や電極リード線の断線を調べます。
〇記録が正常か調べます。
〇紙の検出センサーや、音の異常などが無いかを確認します。
〇メモリーが正常であるか、バーコードリーダーや磁気カードリーダーが正常か調べます。

まとめ

心電図計測器の正常に扱う為の保守点検の方法は、項目ごとにチェックできるようにして、安全確保の為には、漏れの無いように体制作りと管理責任者の配置が必要です。正常に正しく維持していく為にも専門業者の保守点検も必ず実施する事が重要です。

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