ファイバースコープ洗浄は健全な医療に繋がる

ファイバースコープや内視鏡は、消化器系の診断や治療に欠かせない機器で、体内に細長い束筒状の管に附属するカメラを入れ、先端に接眼レンズがあり体内の観察には欠かせない医療機器です。今回はファイバースコープの洗浄について見ていきましょう。

ファイバースコープと内視鏡

ファイバースコープはカメラを搭載せずレンズを覗いて直接スコープの先を確認する装着で、検査をしている人しか見ることができず、情報を保存できないため検査結果の確認が困難であるため、現在はあまり使用されることはありません。ファイバースコープという呼び方は少なくなり、内視鏡と呼ばれることが一般的になりましたが、ファイバースコープと内視鏡は区別されることがあります。

ファイバースコープ(内視鏡)の洗浄

ファイバースコープ(内視鏡)の消毒や洗浄は、急性胃粘膜病変がファイバースコープからの感染によるものと判明して日本消化器内視鏡学会や日本消化器内視鏡学会のガイドラインよってつくられました。

内視鏡の洗浄方法は専用の消毒薬を使用して行います。人体内に入れるため、検査に使用するたびに消毒をして、細菌やウィルスは高熱では死滅する特性があるため、お湯を使用して確実に細菌やウィルスを死滅させる方法がとられます。

また、内視鏡には使用後様々な物質が付着しています。血液やタンパク質など体液の汚れがあらゆる所に付いている可能性があるため、検査終了後は念入りな手順でいくつかのステップに分けて洗浄や消毒作業を行います。

検査場所での簡単な処置、流しでの水洗いを経て液剤への漬け込みへと進められていきますが、一つ一つ丁寧に行うことが院内感染を防ぎ検査精度を上げるため必要です。

◎処置1
消毒の手順として、消毒液を部品の数だけ用意して最初に水で各部品を洗っていきます。水で一通り流し終わったら次は部品を消毒液に漬けて殺菌します。再び水で薬を完全に洗い流していくことが重要です。部品やパーツは蒸気を使って温めることで細菌やウィルスを完全に除去することができます。

◎処置2
消毒を行うまでには器具の内部を清潔な状態にしておくことが求められます。この場合、細い管の中を通常のブラシなどで洗うことは非常に困難ですので、現在は医療品メーカーが開発した特殊なブラシを用いて洗っていく方法がとられ、ブラシの使い方や洗い方をマスターして液剤や汚れの取り残しがないように注意を払うことが必要です。
液剤が付いたままだと消毒効果がなくなりますので十分な配慮が大切になります。

◎処置3
ベッドサイドでは内視鏡の外表面に付着した異物や汚れを除去剤などで拭き取り、200ミリリットル以上の洗剤を吸引して、チャンネル内の粘液や血液を専用のチャンネルに送気・送水して除去します。流し台でスコープ外表面を洗剤とスポンジやブラシを使って汚れを落として最後に吸引・鉗子チャンネルのブラッシングをします。

◎処置4
スコープに中性、弱アルカリ性洗剤を浸し、満たした流水下でスコープ外表面やチャンネル内を水道水ですすぎます。内部に洗剤が残ったまま消毒すると消毒効果が低下しますので十分なすすぎが必要です。最後に消毒と保管を各消毒器の取扱説明書に従ってスコープをセットします。

消毒後のスコープは、アルコールフラッシュを行い乾燥させて専用の保管庫に入れて保管します。

まとめ

人体内に挿入して身体の内部を観察できる便利な検査器具です。体内の粘膜や体液物質に触れるため、感染症予防の保守管理や衛生管理のために常に清潔を保つ洗浄が必要であり、患者の安全を確かにする行為となるので、適切な処理が重要となります。

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