ファイバースコープ内視鏡の進化と種類

生体現象測定記録・監視用機器

ファイバースコープは光ファイバーを束にし、目視用のアイピースとスコープを両端に取り付けた内視鏡検査機器です。レンズの代わりにカメラを取り付けられる製品もあります。ファイバースコープが発明されるまでに様々な製品が活躍していました。今回はファイバースコープの歴史と用途別の種類について解説します。

ファイバースコープ(内視鏡)の歴史

体内を切開せずに診察できる技術は日々進化を遂げています。最初に使われたのは金属の管を口の中に通し胃の中を診察するというものでしたが、患者に対する負担が大きすぎるため一般普及は行われませんでした。

その後、登場したのが柔軟な素材の先端に小型カメラを搭載した「胃カメラ」が登場しました。ファイバースコープはさらに進歩し、撮影する機材を体内に入れる必要がなくなり更なる小型化による安全性と操作性が実現されました。

ファイバースコープの種類

医療用ファイバースコープには、大きく分けて口・鼻から入れるものと、肛門から挿入する機器に分かれます。径の太さも様々で、細い方が患者の負担が少なく楽に行えますが、画質が問題になります。検査には精密な画像を求められるので、適切な太さの製品を選ぶ必要があります。

呼吸器外科

肺の検査をするファイバースコープは気管支の内側を観察する「気管支鏡」、肺の中央に位置する気管支が集合した機関の部分を検査する「縦隔鏡」、胸壁肋骨・胸椎・胸骨・横隔膜で囲まれた肺のある空間を調べる「胸腔鏡」の3つに分類されます。気管支鏡は鼻や口から挿入し「縦隔鏡」は首の付け根に傷を入れて、そこから縦隔にある気管の外周や臓器を調べ「胸腔鏡」はあばらの間から肺の表面を検査します。

耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科では、声帯やそれにかぶさる蓋のような場所を喉頭と呼び、舌根部から喉頭・下咽頭までの検査を行う「喉頭ファイバー」、鼻腔腫瘍・上咽頭腫瘍・鼻中隔湾曲症の評価や経過観察に使用される「鼻咽喉ファイバー」が普及しています。

消化器内科

直腸から盲腸にかけて診断する「大腸内視鏡」は、大腸がんの危険性を持つポリープを内視鏡先端からワイヤーを誘導して焼き切ることができます。「小腸内視鏡」は、胃や十二指腸よりも深部を検査する場合は口から挿入する方法、大腸より先を診る場合は肛門から挿入する方法の2つに分けられます。

最新の内視鏡装置

固体撮像素子CCD電子スコープを内視鏡に装備し、体内の状態をモニターに映すことで複数の医療従事者が確認できるようになりました。「ビデオスコープ」登場で、見落としによるミスや画像処理を行うことで見つけづらい患部の特定も容易になりました。

消化管の先導運動を利用し、超小型撮像素子内蔵のカプセル内視鏡を飲み込んでもらい、体内を安全に診察する方法も出てきました。

まとめ

患者に苦痛を与えず、体内を検査・診断する技術は日夜進化しており、マイクロファイバー技術の発展により治療・処置も同時に行えるようになりました。内視鏡の種類は多岐にわたるため、マニュアルを正確に理解し適切な処置が行えるようにしましょう。

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