人工呼吸器の装着が適応となる基準とは?

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人工呼吸器を装着する場合には以下のような目的があります。
①換気の確保
②肺容量の増加
③呼吸の仕事量を軽減させる
さらに臨床においては急性呼吸性アシドーシスの改善や呼吸困難の改善、頭蓋内圧の減少、そして緊急時や心肺蘇生後、自発呼吸がない状態の患者様に対して用いられます。

○人工呼吸器の適応とは?
呼吸機能の単純かつ重要な目的といえば、酸素を取り込んで組織へ供給すると共に、代謝物である二酸化炭素を排出するという事です。
心機能の異常(心不全など)が認められれば心臓の治療、酸素化の異常(PaO2の低下)があれば酸素療法を行いますが、それでも治療効果が得られなければ人工呼吸器を検討していきます。
意識障害や上気道閉塞、喀痰吸引の必要性があれば挿管して人工呼吸器を装着しますが、マスクを使用して陽圧をかけるNPPV(非侵襲的陽圧換気)という方法もあります。
気管挿管や気管切開を行わなくても陽圧呼吸が可能であり、特に会話や食事が可能であることや気管挿管の合併症を回避できることは最大のメリットと言えます。
どの治療方針を選択するのかは医師が判断するのはもちろんのこと、ご家族やご本人と面談を行い決定していきます。

○人工呼吸器を装着する基準とは?
人工呼吸器を装着する基準はさまざまな要因が関連しているため、医師が総合的に判断して人工呼吸器の適応であるか否かを判断していきますが、「血液ガスから人工呼吸治療へ―人工呼吸が必要になる病態.クリニカルエンジニアリング:妙中信之」では人工呼吸器の開始基準について以下のように説明をしています。

“●低換気 
・PaCO2≧60Torr(COPDなど慢性呼吸不全では20Torr以上の上昇)

●酸素化能の障害 
・PaO2≦60Torr(100%酸素10L/分以上の酸素吸入下)
・SpO2≦90%(100%酸素10L/分以上の酸素吸入下)

理学的所見などの異常 
・呼吸回数≧35回/分
・呼吸様式の異常(陥没呼吸、鼻翼呼吸、下顎呼吸)
・高度の呼吸困難
・意識レベルの低下”
ポイントしては、酸素療法を行なってPaO2の改善がみられるかどうか、呼吸性アシドーシス(肺胞低下換気によりPaCO2が上昇して起こるアシドーシス)の有無、意識レベルや呼吸の状態が人工呼吸器を装着する判断要因となります。

○人工呼吸器の適応疾患・ウィーニング
人工呼吸器の装着はさまざまな疾患から起こる呼吸不全が適応となります。
呼吸不全は急性呼吸不全と慢性呼吸不全に分けられます。
いずれに人工呼吸器の装着には気道の損傷や肺炎のリスクも伴うため、人工呼吸器からの離脱(ウィーニング)も検討していきます。
呼吸不全の原因となった疾患の改善が見込めれば、できるだけ早い段階でウィーニングを開始していきます。

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