血圧計の使い方 ~誤差の生じる幾つかの要因~

生体現象測定記録・監視用機器

医療の現場に限らず、家庭でも一般的に使われている血圧計。どこでも気軽に血圧を測定する事が出来ますが、たまにいつもと血圧が違うという事はないでしょうか。今回は、血圧計の誤差の生じる要因をお伝えします。

誤差を生じる主な原因

血圧計で誤差を生じる原因には、どの様な物があるのでしょうか。順番に見て行いきましょう。

カフ(圧迫帯)の位置が高すぎる

血圧計のカフを付ける位置が高すぎると、血液が流れにくくなる為、正しい位置で測定した時に比べて血圧は低くなります。カフは正しい位置に巻きましょう。

カフの位置が低すぎる

正しい位置よりカフを巻く位置が低すぎると、血液の流れが多くなる為、血圧が高くなります。カフは正しい位置に巻きましょう。

上腕で測定するタイプの血圧計も、手首で測定するタイプの血圧計も、共に心臓と同じ高さになる様にクッションなどを置いて調整してから測定しましょう。

測定中は体を安静にする事

血圧の測定中に体を動かすと、誤差を生じる原因になります。着席し、リラックスした状態で測定しましょう。

降圧剤の服用

血圧が恒常的に高い方で降圧剤を服用している場合、薬効により血圧は大きく変わる事があります。

その他の疾患によるもの

糖尿病・肝臓病・腎臓病・動脈硬化・高血圧症など抹消循環器障害をお持ちの方は、手首で測定した場合と上腕で測定した場合とで、血圧に大きな差を生じる事があります。

食事のあと一時間以内

食後一時間以内の計測では、正しく血圧が測定できない場合があります。また、飲酒後やコーヒー等のカフェイン摂取後も同様です。

喫煙後

喫煙も血圧測定の誤差の原因になります。血圧測定前の喫煙は避けましょう。

運動直後

運動後は血圧が下がっています。運動後に血圧を測る場合は、30分から一時間程度安静にしてから測定する様にしましょう。

入浴後

入浴後も誤差が出易くなっています。冬場、寒い脱衣所やふろ場で裸になると血管が収縮して血圧が上昇します。そして、熱い湯に浸かるとさらに血圧は上昇します。その後、体が温まると血管が広がり、逆に血圧が下がります。これは風呂上がりしばらくの間続きます。

室温の影響

前述の通り、寒いところでは血管が収縮して血圧が上がり、温まると血管が広がって血圧が下がるという現象が起こる為、出来るだけ室温は20℃前後の場所で計測しましょう。

尿意を我慢している時

尿意を我慢している状態では血圧は上昇します。逆に排尿後は血圧が下がります。また、排便時に力むと血圧は上昇します。出来るだけ力まなくて済む洋式トイレを利用しましょう。

まとめ

今回は血圧測定時、誤差を生じる要因を幾つか紹介しました。これらの事に気を付けて正しく血圧を測定する様心掛けましょう。

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