医療用血圧計の分類と性能や安全性を保証する基準

生体現象測定記録・監視用機器

国内で血圧計を製造する際に、4,000を超える血圧計の一般名称から適切な名称が見つからない場合、既存の医療機器と見なされず承認審査がかかるというような厳格な基準が設けられています。今回は、血圧計使用におけるガイドラインと、製造にかけられた基準や審査についてご紹介します。

高血圧治療ガイドライン

収縮期血圧(最高血圧)が120未満、かつ拡張期血圧(最低血圧)が80未満は正常血圧と定義されています。健康体の血圧の基準値を超えるとⅠ度・Ⅱ度・Ⅲ度高血圧と呼ばれ、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まりますので、生活習慣の改善を指示するといった対策を講じる必要があります。

・Ⅰ度高血圧:140~159(収縮期血圧) かつ/又は 90~99(拡張期血圧)
・Ⅱ度高血圧:160~179(収縮期血圧) かつ/又は 100~109(拡張期血圧)
・Ⅲ度高血圧:180~(収縮期血圧) かつ/又は 110~(拡張期血圧)

血圧計の分類

血圧は心臓の収縮で血管にかかる圧力を測定する医療機器です。医療現場で使用する血圧計に求められる基準は高く、高い安全性と正確な値を測定できます。

血圧計は、問題が生じた際、人体へのリスクが比較的低いといわれるクラスⅡの医療機器に分類され、医療用の血圧計は電子式・アネロイド式・水銀柱式に分けることができます。
水銀血圧計やアネロイド血圧計は測定値の精度が非常に高く、医療現場に多く普及しており、これらの手動式血圧計はマノメーターの制度や指示応答速度の他に、温湿度耐性や水銀の漏出防止設計といった耐久性も要求されます。

※水銀血圧計等の水銀を利用する機器においては製造や輸出入が禁止されることになり、回収や処分していくことが望ましくなります。

血圧計に設けられた基準

血圧計の基準は国際的に統一されておらず、国内では「計量法」と「薬事法」の2つの規制を元に設定されています。

計量法

計量の基準を定めた法令で、適正な計量を行うための基準になります。「計量器」とは計量する器具・機械・装置のことを指し、「特定軽量器」とは、取引や証明における軽量に使用されます。

血圧計は「特定計量器」に分類され「特定計量器検定検査規則」の要件を満たさなくてはなりません。
製造事業の届出を行い、「JIST1115(付属書)」の電源電圧といった技術基準に、計測法の基準値と適切な基準器公差であるかの審査が行われます。

薬事法

薬事法はJISによって規制されています。医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理基準に関する省令(GQP)の適合性を審査し許可を得たら、「JIS T1115」の適切な精度に校正された技術基準であるかをロットごとに審査します。
許可が下りた後も、5年ごとの更新が必要になります。

まとめ

血圧計の性能・安全基準は国によって明確な基準が決まっていませんが、法規制とJISにより高い安全性と正確さを実現しています。血圧計を選ぶ際は、各血圧計の特徴を理解し信頼のおける製品を選ぶようにしましょう。

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