【血圧計】右手と左手で測定する血圧脈波検査とは?

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血圧は左右の腕で異なることをご存知ですか?
人間の身体は左右対称ではなく、筋肉や血管、骨や関節の状態などは左右で違いがあります。
完全な左右対称でなければ病気というわけではありませんが、左右差を比較することにより身体の状態を判断することもできます。

○左右の血圧を測定することで分かる事
元々、左右の血圧は全く同じ値ではなく、右側の血圧が若干高くなるのが一般的です。(右腕が鎖骨下動脈の分岐が心臓に近いため)
そのため、普段の血圧測定は片麻痺側の腕や、人工透析液を行っている患者様でシャントを作成している腕でなければ、基本的にどちらの腕で測定をしても大丈夫です。
ただし、再現性を考慮してどちらの腕で血圧を測定するのか決めておくとよいでしょう。
血圧は10mmHg以内の左右差であれば特に問題はないとされています。
では、10mmHg以上の差があればどのような疾患の疑いがあるのでしょうか?

①動脈硬化
動脈硬化とは、全身へ血液を循環させる血管である動脈の内壁が肥厚・硬化して弾力性が失われる病態で、心疾患や脳血管障害、動脈瘤などの原因となります。
動脈硬化により血圧の左右差が現れることがあります。 

②肩凝り
肩凝りのメカニズムは首・肩甲帯周囲の筋肉が緊張することにより血管が収縮して血行不良が起こることが原因です。
どちらか一方、あるいは両側に肩凝りがあれば血圧に左右差が現れる事があります。

③その他
重篤な場合には大動脈解離やがんなど、閉塞性動脈硬化症、その他何らかの一側性異常が考えられます。

○血圧脈波検査について
右手と左手の左右差を測定するには、単純に片方ずつ血圧を測定して比較すればよいですが、「血圧脈波検査」という検査を行えば動脈硬化の程度などさまざまな値を測定することができます。
血圧脈波検査は四肢にマンシェットを巻き、機器で測定を行うことで簡単に検査をすることができます。
検査をすることができる項目は機器によって異なりますが、基本的には以下の項目を測定することができます。
・CAVI…拍動が伝わる速度を測定し、動脈の硬さの程度を調べます。
・ABI…上腕と足首の血圧の比率を計算することで、動脈硬化の進行度を調べます。
・TBI…上腕と足趾の血圧の比率を計算することで、糖尿病患者様や人工透析患者様に多い血管の石灰化があっても、動脈硬化の進行度を調べることができます。
・四肢の血圧
・四肢の血圧バランス図
・左右の血圧差
・血管年齢の目安
・脈圧

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