血圧計で右手と左手で測ってその差が高いことが示すもの

生体現象測定記録・監視用機器

高血圧・糖尿病・高コレステロール血症・動脈硬化と大きな疾病につながる危険な因子です。血圧計では血圧の測定は右手と左手のどちらで測るのでしょう。また左右の血圧に差があると問題なのでしょうか。今回血圧計による右手と左手の測定についてご紹介します。

右手と左手のどちらですべきか

血圧計による測定は、右手と左手のどちらで測定するのが良いのでしょう。これについては、左右いずれの側でも構わないものとされています。

通常上肢の血圧に左右差はあまりありません。しかし、常時連続性をもって10mmHg以上の違いがあるときには、左右差ありと診断します。10mmHg以上の場合、血管の病気を考える必要があります。

左右差が高い場合

左右差が15mmHg以上あるとき、心血管事象の危険要因とされます。それは低値を表している側の動脈に何かの血流制限を生じさせる病変の存在が示唆されるからです。例えば、動脈硬化症の狭窄病変、若年女性では大動脈炎症候群などの炎症病変、または大動脈解離が鎖骨下動脈に及ぶなどの機械的狭窄病変といった病が予想されます。

左と右の差が高いときは、高値側が正しい全身の数値を表していると判断しますので、血圧管理は高値側の測定値に基づいて行います。一般的には右の上腕が左より若干高いことがケースとして多いです。これは大動脈脈からの上肢へゆく血管(鎖骨下動脈)が、左側より右側で早く分かれ出ることによると捉えられています。しかし、上腕の最高圧が左と右の差10~20mmHg以上のとき、先にも述べましたが異常であると考えられ原因精査が必要です。

血圧の新基準

日本高血圧学会の指針が新しくされました。次のとおりです。
正常な状態は、最高血圧(収縮期血圧)120・最低血圧(拡張期血圧)80です。正常高値な状態が、最高120~129・最低80です。高値の状態が、最高130から139・最低80 ~89ということです。【高血圧治療ガイドライン2019年】

更に、高い状況にも1度・ 2度・3度と段階ごとに分類して、疾病リスクとの関連でどのように医療行為をするかなど、医師が判定します。正常高値は、「高血圧の直前で要注意の段階」ということで、疾病リスクが高い場合は治療処置の対象となります。また、収縮期血圧とは、収縮期だけが高い数値のものを示し、動脈硬化の進行した高齢者に多く見られる所見です。

この指針では、様々な研究結果をもとに、脳卒中・心筋梗塞、脳心血管病を予防するため「高圧目標(高血圧状態にある血圧をどの値まで落とすべきか)」が提示されています。

まとめ

健康のひとつの指標でもある血圧。血圧計で、右手か左手のどちらで測定するのが望ましいのかということ。また左右の測定値が異なりその差が高いことは何を示しているのかなどや、血圧の新しい基準についてご紹介をしました。

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