血圧計の正確性 ~正しく測るためのチェックポイント~

生体現象測定記録・監視用機器

体の状態を表す大切な指標を測定してくれる「血圧計」。高血圧の状態が長く続くことで血管や心臓に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中に陥ってしまうという例もあります。このように健康のバロメーターとして、日頃から毎日の血圧測定は大事です。今回はその正確性と精度について見ていきましょう。

血圧の変化について

心臓が血液を動脈に送り出す時の圧力の事を「血圧」と呼びます。全身にある臓器と血管は繋がっている為、血圧が高いということは臓器に圧力がかかることになります。

この血圧は、常に一定に流れていることはありません。一日の中にも変動があり、朝は起床時に大きく上がり、昼食事に最高潮に達します。夕方以降少しずつ低下し、活動量が減る睡眠時は最も低い状態で安定する流れになります。

更に日常的な行動によっても変動していきます。例えば、入浴やトイレ、飲酒や食事、運動時はもちろん血圧が上がります。しかし、食事の後などは消化器に血液が集まる為、血圧が下がります。

その他、喜怒哀楽などの興奮状態や喫煙によっても上昇します。ストレスを感じることで交感神経が優位になり心拍数を早め、血管が収縮して血圧も高くなります。更に、睡眠不足はホルモンバランスや自律神経が乱れる原因になり、それによって血圧が上昇するような場合もあります。

正常な血圧変化とは、運動をすることで一時的に血圧は上がりますが、運動後に安静にする事で自然に下がっていきます。緊張したり、体を動かしたりして一時的に血圧が上昇しても、日ごろの血圧値が正常であれば問題はありません。

安静にしていても、高い状態が長く続いた状態を「高血圧」と呼びます。正確な血圧を把握するには、決まった時間に同じ姿勢でリラックスした状態で測る事が重要です。

正確に血圧測定するコツ

次に気を付けるべき点について触れていきます。ポイントについては以下の通りです。

①リラックスした状態で行うこと
理由としては、血圧は直前の精神状態や身体の影響を受けるためです。測定前は楽な姿勢を取り、数回深呼吸すると良いでしょう。

②排便・排尿は済ませた後数分経過してから測定、あるいは排泄の感覚がない時に測定

③正しい姿勢を保ちながら、腕帯を正しく装着
これは血圧測定で最も重要な内容です。座った姿勢で腕帯 (カフ) を正しく巻いて測ります。椅子の背もたれに軽くもたれて、リラックスして座ります。(※この時、足は組んではいけません)

上腕や手首 (測定部位) が心臓の高さになるように、机の高さを調整してください。机が低い際は、クッションなどで調整すると良いでしょう。腕帯は隙間ができないようにしっかりと巻きます。

④その他の注意点
騒音、振動の無い静かな場所で測定を行うことです。テレビ等の音量は測定時には控えめにしましょう。また気温が低いような季節には、血管も収縮することで上昇したりします。このように気温などの影響も受けるため、できるだけ室温が20℃前後程度に保たれた場所で測定するようにしましょう。

正しい腕帯 (カフ) の巻き方

まず腕の動脈を探してみてください。肘の内側を指先で触れた際に脈打っている場所があります。その部分が「動脈」になります。

この動脈に沿わせて、手の平を上に向けて肘のくぼみから約1~2cm上の位置にカフのチューブを巻いていきます。この時、巻く強さは人差し指を入れることができるくらいの余裕をもたせるようにしましょう。

正しい測定方法

〇測定中は身体を動かさず、話をせずに測定を行います。
〇手のひらは上に向けて開いておきます。
〇背筋をしっかりと伸ばします。背中が猫背だと、お腹が圧迫されて正しい血圧が測れません。
〇カフが心臓の高さと同じようになるように位置調整を行います。

まとめ

血圧計は精度を長期間維持することが可能ではありません。ゴム管やカフは、明らかに劣化していきます。使用頻度にもよりますが数年で測定精度が低下するため、使用期間は5年を寿命と捉えて、時期がきたら新しい血圧計に交換する事をお勧めします。

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