気を付けたい!血圧計の感染対策

生体現象測定記録・監視用機器

医療現場や家庭で幅広く使われている血圧計。被験者の血圧を知るのに必要不可欠な医療機器です。しかしながら血圧計は、直接体に触れる機器であるだけに、感染対策には正しい知識が必要となります。今回は医療機関での感染対策、とりわけ血圧計の感染対策について解説して行きます。

感染経路の種類

感染症にはその感染経路にいくつかの種類があります。順番に説明します。

感染経路①接触感染

接触感染は、皮膚、粘膜、創に直接触れる事、又は何かを中間に介したことによる間接的な接触による感染の事を言います。

感染経路②飛沫感染

飛沫感染は、病原体を含む粒子が、咳、くしゃみ、発声などによって飛散し、他の人の鼻や口などの粘膜、又は結膜に接触する事で発生します。飛沫の拡散距離は通常、1~2m程です。

感染経路③空気感染

空気感染とは、病原体を含む5μm以下の飛沫核が咳、くしゃみ、発声などによって拡散し、この飛沫核を他の人が吸い込むことによって発生します。空気感染を防ぐには陰圧室など特殊な装置が必要となります。

感染対策にはどの様な物があるか?

標準的な感染予防策には次の様な物があります。
〇血液、体液、分泌液、排泄物などに触れる際には、検査者は手袋を着用する。また、検査後は手袋を洗浄する。

〇血液、体液、分泌液、排せつ物などが飛散する事が予想される際は、検査者はサージカルマスク、ゴーグル又はフェイスシールド、ガウンを着用する。

〇血液、体液、分泌液、排泄物などに触れた器具や器材は洗浄又は消毒する。などが主な感染対策になります。

血圧計の使用にあたっての注意点

血圧計を用いた測定は、身体に創のある患者だけでなく、病原体の保有の、有無の不明な不特定な患者が対象になります。そのため、血圧計の使用後は、その都度、消毒液で清拭する事が重要になります。

聴診法による電子血圧計は、本体、加圧ゴム球、腕帯によって構成されています。これらを清拭する際の注意点としては、血圧測定に使用後、電源を切り柔らかい布を消毒液に浸して機器内部に消毒液が侵入しない様、良く絞ってから拭き取る事です。

消毒液で清拭したあとは、水かぬるま湯を浸した布をよく絞ってから消毒液を拭き取り、最後に乾いた柔らかい布で水気の拭き取りを行い、自然乾燥させます。特に腕帯については、腕帯内部の空気袋を取り出して表面を消毒します。

その際、漂白剤などは用いず、中性洗剤で洗い、乾燥させます。外布の清拭は、中の空気袋を取り出してから行います。

まとめ

今回は、感染経路の種類から、感染対策、また血圧計を使用する際の感染対策について詳しく解説しました。感染のメカニズムについて知識をより深め、しっかりと対策を取って行きましょう。

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