生きていることを証明するバイタルサイン「血圧」の正しい測定方法

生体現象測定記録・監視用機器

「血圧」は、生きている証明ともいえる「バイタルサイン」の1つであり、生命徴候を意味します。

バイタルサインの種類には、脈拍・呼吸・体温・血圧・意識レベルなどが挙げられますが、たとえば「血圧」は正しい血圧計の使い方や測定方法でなければ正しい数値を測定できません。

そこで、脈拍を測定するときの適した部位や、血圧の正しい測定方法について説明していきます。

血圧とは

「血圧」は血管内部の圧力のことで、上腕動脈の血圧値を意味する言葉として使われています。

血圧=1回拍出量×末梢血管抵抗

で測定されるため、「1回拍出量」と「末梢血管抵抗」に変化があれば、自動的に血圧も変動することになるといえます。

まず「1回拍出量」は心臓が1回収縮することで拍出する血液の量です。

対する「心拍出量」は1分間あたりに換算した数値ですが、成人の目安は約5L/分となっています。

「末梢血管抵抗」は、細動脈壁の緊張で決まる圧で、交感神経の影響により収縮・拡張します。

なぜ心拍出量と末梢血管抵抗が変動するのか

「心拍出量」や「末梢血管抵抗」に影響する生理的な条件として、たとえば次の3つが挙げられます。

・運動・精神的興奮
・食事
・気温

安静にしているときに血圧を測定したほうがよいことや、病院内の部屋の温度が年間で定められているのは、これらの生体変化を最小限に抑えるためと考えることができるでしょう。

脈拍測定に適している部位とは

脈拍測定に適している部位は、拍動を感じる場所ならどこでもよいといえますが、「橈骨動脈」なら最も脈に振れやすいはずです。

ただ、血圧が60mmHg以下の場合は撓骨動脈で脈拍の触知が難しいため、総頸動脈を選択するとよいでしょう。

血圧の正しく測定するための方法

血圧は測定の方法を間違えば正しい数値をあらわさず、場合によって大きなリスクを伴うことになってしまいます。

そのため正しく測定することが必要ですが、次の6つの流れに沿って行いましょう。

①5分程度安静にして体勢を整える
②測定部位を選ぶ
③腕にマンシェットを巻く
④聴診器をセットする
⑤加圧しマンシェットを膨らませる
⑥測定する

それぞれ簡単に説明します。

①5分程度安静にして体勢を整える
動いた直後は血圧値が高くなるため、5分程安静を保ってから坐位または仰臥位で測定しましょう。

②測定部位を選ぶ
一般的には上腕部で測定しますが、点滴中などで上腕部による測定が難しいときは大腿部か下腿部で測定します。

③腕にマンシェットを巻く
マンシェットとは、血圧計のうち腕に巻くバンドのことで、マジックテープで固定できるようになっています。
マンシェットのゴム中央が上腕動脈の真上に位置するように、指2本分入る強さで巻きます。

④聴診器をセットする
拍動がふれる位置に聴診器の膜側をあてます。

⑤加圧しマンシェットを膨らませる
普段の血圧値に20mmHgを加えた値まで加圧しましょう。

⑥測定する
バルブを回し約3mmHg/秒を目安として減圧していきます。

ピックアップ記事

関連記事一覧