脳波計による脳波測定~周波数解析とは~

生体現象測定記録・監視用機器

脳波は人間や動物が脳の活動によって生じる電気信号をいくつかの電極から拾い出し、コンピューターで増幅、デジタル化して記録したものです。技術の進化により検査の精度は以前に比べて格段に増し、脳波検査によって得られる記録からさまざまな情報が解析できるようになったのは言うまでもないでしょう。

○脳波を解析する
測定した脳波から疾病や精神状態などの鑑別を行うには、当然ながら記録された脳波を解析する必要があります。脳波を正しく解析するにはアーチファクト(雑音)をできる限りとり除くこと、意図的に操作された解析をしないことが前提として挙げられます。アーチファクトの存在に気がつかずに解析を行う技師や研究者も数多くいます。
また、都合がいいように結果を操作する研究者もいますが、このようなことはあってはいけません。
脳波には「自発電位」と「誘導電位」があり、振幅は大きく異なります。
自発電位は振幅によって以下のように分類されています。

・γ波(ガンマ波)【30Hz以上】
・β波(ベータ波)【14~30Hz】
・α波(アルファ波)【8~13Hz】
・θ波(シータ波)【4~7Hz】
・δ波(デルタ波)【3.5Hz以下】

脳波の解析方法にはいくつかの種類がありますが、自発電位の解析には「周波数解析」、「時間周波数解析」がよく用いられます。誘導電位の解析には「加算平均法」がよく用いられます。

○周波数解析・時間周波数解析とは?
周波数解析とは、各脳波の周波数がどれくらい強いのかを比較することで脳波の解析をする方法です。睡眠時はどの周波数が強いのか、ストレスを感じているときはどの周波数が強いのかということを調べることで脳波の解析を行います。
周波数解析は離散フーリエ変換をすれば解析が完了します。離散フーリエ変換はC言語、fortlan、matlabなどのプログラミング言語によるアルゴリズムにて演算をすることで解析をしていきます。離散フーリエ変換は基となる周波数と解析したい周波数を内積していきます。
この周波数解析はある一定期間内に基づいて解析を行うため、時間の情報が抜け落ちてしまうというデメリットがあります。そこで、時間内にてどの周波数が強いのかという「時間周波数解析」が用いられます。時間周波数解析も周波数解析と解析内容はほとんど同様ですが、細分化した時間内にて解析を行うため時間の情報が抜け落ちないというメリットがあります。その反面、やり方によっては周波数の正確性が失われてしまうというデメリットもあります。

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