医療施設も対象となる「中小企業等投資促進税制」について

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
医療施設を運営するには、さまざまな検査や治療に使用するための医療機器が必要です。
医療機器は、本体の値段も高額なうえ、経年劣化などは患者の安全や信頼にも関わってくるためメンテナンスにも費用がかかります。
そんな時活用したいのが、控除制度。
今回は、医療施設が利用できる控除制度のうち「中小企業等投資促進税制」について見ていきたいと思います。

【中小企業等投資促進税制】

1.中小企業等投資促進税制
病院などの医療施設が受けられる控除の一つに、中小企業等投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除)というものがあります。
この制度は、中小企業者などが指定期間(平成10年6月1日~平成31年3月31日内に新品の機械及び装置などを取得し、国内の指定事業で使用した場合に、特別償却又は税額控除を認めるという控除制度です。

2.医療機器の耐用年数
耐用年数とは上記制度の中で定められた、減価償却にかかる年数のことを指します。
一方、耐用期間とは、当該機器の標準的な使用状況において、部品の交換や修理などを繰り返し行っても、安全性や信頼性の目標値を維持できなくなると考えられる耐用寿命のことです。こちらは薬事法で定められています。
耐用期間と耐用年数は厳密には違うものなのですが、両方ともほぼ同じに設定されている医療機器も多いです。

国税庁が公表している、税法上における医療機器の耐用年数は次の通りです。(一部を抜粋しています)

・消毒殺菌用機器 4年
・手術機器 5年
・血液透析又は血しょう交換用機器 7年
・ハバードタンクその他の作動部分を有する機能回復訓練機器 6年
・調剤機器 6年
・歯科診療用ユニット 7年

○検査機器
 ・ファイバースコープ 6年
 ・その他のもの 8年
 ・レントゲンその他の電子装置を使用する機器
 ・移動式のもの、救急医療用のもの、自動血液分析器 4年

3.医療機器の区分
「中小企業等投資促進税制」で控除を受けるうえで大切なのが、取得した医療機器の区分です。
医療機器は、「器具及び備品」と「機械及び装置」に分けられており、こうした控除手続きを行う際に記入する必要があります。
しかし、こうした区分は法令で明確な定義がなされている訳ではないため、分類がしづらくなっています。
税務当局の職員でも間違ってしまうことがあるようです。
判断材料としては、使用用途、基本的に単体で個別的に機能・作動するものなのか、他の機器と一体となって設備を形成するのか、といったこと等が挙げられると考えられます。医療機器の区分に関しては、国税庁のホームページなどをご覧になるか、管轄の税務署にお問い合わせください。

【最後に】

今回は、「中小企業等投資促進税制」について大まかにまとめました。
医療機器は、患者の診療や治療に欠かせないものです。買ったら終わりではなく、メンテナンスを行ったり、法律で定められた耐用期間・耐用年数ごとに買い替える必要も出てきます。
また、言うまでもなく故障した際には費用がかかるため、公的な制度だけでは心配な場合は医療機器用の保険なども活用されるといいかもしれません。

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