電気メスとレーザーメスの違いとは?

生体現象測定記録・監視用機器

技術の発展により、メスは今までの金属のメスから電気メスやレーザーメスが使用されるようになってきました。ところで電気メスとレーザーメスの違い、それぞれの特徴はどのようなものなのでしょうか。
今回はそのことについて説明したいと思います。

【電気メスのしくみ】

電気メスとは、たとえば外科手術時に患者の手術部分に高周波の電流を流すことによっておきる負荷または接触抵抗により発生するジュール熱を用し、切開や止血(凝固)を行うしくみになっています。

このとき使われる電気は、一般家庭で使う電気が50~60Hzであるのに対し電気メスの電気は実に1MHzもの周波数があります。(1MHz=100万Hzになります。)
それでは大変危険なのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、周波数が高ければ高いほど人の体への影響は小さくなる現象があるので問題ありません。

【レーザーメスのしくみ】

レーザーメスとは、レーザーの熱エネルギーを利用し、電気メスと同じく手術部分の切開や止血(凝固)を行う仕組みになっています。レーザー医療は波長の数値によってレーザーメスとして利用したり腫瘍などの治療、または、しみ・ほくろを除去するなどといった美容整形の目的、レーシック手術として利用するなど、幅広い目的の医療行為に使うことができます。

【電気メスのメリットとデメリット】

メリットは、幅広い目的の医療行為に使うことができ、レーザーメスより取り扱うのが易しいといわれています。コンピューターで切開や止血の数値をコントロールするため、手術時に金属のメスを使うより最小限の傷ですみます。また手術時間の短縮もできます。

デメリットは、電気を使用しているため患者が装着している心臓ペースメーカーや付近の心電図など他の医療機器に影響が出るおそれがあります。局所麻酔の場合は電流を痛みとして患者が感じることもあるようです。

【レーザーメスのメリットとデメリット】

メリットは、電気メスと同様の点では幅広い目的の医療行為に使うことができ、コンピューターでのコントロールで患者が痛みを感じることや負担も少なく短時間で行え、手術後の傷も最小限に抑えることができます。
切開や止血の効果や時間は電気メスより短く、手術部分周囲の組織に与える影響もレーザーメスの方が優れています。

デメリットは、電気メスより高度な技術が必要であること、扱い方に不備があると患者がやけどをする恐れがあることです。

【まとめ】

電気メスとレーザーメスの違いはおわかりいただけたでしょうか。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、従来の金属のメスと比べると格段に患者への負担を少なくすることが可能となりました。
これからも治りにくい病気の治療やさらなる時間や手術の傷の減少など、患者の負担が減るさらなる技術の進歩が期待できそうです。

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