MRI検査で使われる磁力ってどれくらいの強さ?

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【はじめに】
MRIは装置の原理的には「磁力」を利用しての検査のため持ち込む金属の材質的には撮影ができない場合があります。

今回、磁力を使った検査法であるMRI画像取得法の種類や注意点、磁力の原理的な説明などをしていきたいと思います。

【MRI検査の注意点】

MRI検査を行うMRI室には時計や磁気カード、電子機器の持ち込みはできません。
また、心臓にペースメーカーを埋め込んでいる方や手術などで体に金属が入っている方も材質によっては検査NGとなることがあります。さらに妊娠している方やカラーコンタクトをつけている方も基本的には撮影できません。

【MRIの種類】

ここでは以下2つのMRI検査の種類についてお伝えしたいと思います。

・造影MRI
より詳しいMRIの画像取得のために造影剤を使用して撮影することがあります。
この方法での撮影の仕方は造影剤であるガドリウムDTPAを静脈から15mlほど注射し、腫瘍等が他の組織とは違った信号を出すのをキャッチして撮影していきます。
造影剤は24時間程で尿となって排出されるためさほど問題ないですが、過去に副作用が出た方や喘息、アレルギー持ちの方は事前に医師に伝えておくなど注意が必要です。

・MRA
MRA検査は基本的に使う装置・方法などはMRIと同じですが、「何を写し出すか」がMRIと異なります。

全身の画像撮影にも使用されることのあるMRIとは違い、MRAは基本的に頭部の血管などの異常を画像化するのによく使われます。またMRAの撮影では造影剤を使用することはほとんどなく、脳の異常を機械検査のみで早期発見することができます。

【MRIにはどれくらいの磁力が備わっているのか】

MRIで高い精度の検査を行うことと磁力の強さには関係があります。

一般的に磁力の強さを測る単位としては「テスラ」や「ガウス」という単位がありますが、MRIなどの強い磁力を持った装置などの場合には「テスラ」という単位が用いられることが多いです。参考までに日常使用することもある「エレキバン」などの磁気健康器の場合大体1000ガウスから2000ガウスくらいの磁力があります。また、1万ガウス=1テスラでMRIの磁力は1.5テスラ~3テスラほどですのでその磁力の強さがお分かりいただけると思います。

例えば3テスラのMRI装置の場合、1.5テスラで撮影するMRI装置の2倍のS/N比(画質)で撮影が可能となっていて、画質が向上すれば当然より精査な検査が可能となります。

ただし、金属が体に入っている方の検査をする際には磁力の強いMRIの使用が困難なケースもあります。

【まとめ】

いかがでしたか?MRIについての知識を深め、医療の現場で役立てていただけるよう参考にしてください。ありがとうございました。

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