麻酔器の始業点検・定期点検はどうやっているの?

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
医療機器は使用上の組み立て手順や使用法も大切ですが、それ以上に定期的に行われる作動点検が重要になってきます。
医療の現場では機械の不具合などは文字通り命取りになります。
今回は麻酔器などの点検にも関係のある医療機器の始業・定期点検についてお伝えしたいと思います。

【麻酔器の始業点検】

麻酔器の始業点検は大まかに以下の11の項目に分けることができます。

・ボンベ内容量と流量計のチェック
酸素・亜酸化窒素の補助ボンベを開き、圧力を確認します。
それから、ノブと浮子の動きを点検し、亜酸化窒素供給防止装置がちゃんと作動するか確認します。

・亜酸化窒素遮断機構の始業点検方法
酸素及び亜酸化窒素を流し込み、酸素のボンベのみを閉めます。
次にアラームの音を聞き、亜酸化窒素が遮断されることを確認します。
最後に亜酸化窒素のボンベを閉めれば完了です。

・ガス配管設備によるガス供給のチェック
まず、ホースアセンブリの接続を確認します。
次にノブと浮子の動きをチェックし、純亜酸化窒素供給防止装置がきちんと作動することを確認します。最後に酸素、亜酸化窒素を流し、酸素のホースアセンブリを外したときにアラームが鳴り亜酸化窒素の遮断が確認できれば完了です。

・気化器のチェック
まず内容量を確認します。注入栓を閉め、その状態のままニオイが発生しないことを確認します。その後ダイヤルの動きをチェックし、接続もきちんとされているか目視で確認します。

・酸素濃度計のチェック
まず電池の残量を確認します。センサー内の構成を空気にします。アラームを設定したら完了です。

・二酸化炭素吸収装置のチェック
目視で吸収材の色、量ともに一様かチェックします。水抜き装置の水を抜き、必ず閉鎖します。

・呼吸回路の組み立て
組み立てに不具合がないかチェックします。

・リークテスト
APL弁を閉じ、加圧テストを行います。一定量酸素を流し込み呼吸バッグが膨らんだことを確認した後、リークがあるかを確認します。

・呼吸回路のガス流
テスト肺を装着し換気をチェック。
次に呼吸バッグを膨らまし、呼気弁、吸気弁の動きを確認します。呼吸バッグとテスト肺がうまく連動しているかを確認します。APL弁が機能しているかをチェックします。

・人工呼吸器とアラーム
人工呼吸器のスイッチを入れ、アラームが作動していることを確認します。テスト肺の動きを確認します。テスト肺を取り、低圧アラームが作動するかを確認します。

・麻酔ガス排除装置
回路の接続に不具合がないかを確認。吸引量を目視で確認します。
最後にPEEPバルブがゼロになっているのを確認します。

【まとめ】

いかがでしたか?麻酔器の点検方法の概要について知っていただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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