駆動ガスを使用して稼働する麻酔器とは?

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【はじめに】
ベローズタイプの麻酔器では患者への送気を行う際に「駆動ガス」を使用するケースがほとんどで駆動ガスの調整具合により送気量が一定にならないケースもあります。

今回駆動ガスを使用するベローズタイプの麻酔器、駆動ガスを使用しないピストンタイプの麻酔器、またその他の麻酔器について紹介していきたいと思います。

【ベローズタイプの麻酔器とは】

そもそも「ベローズ」とは何のことかについてまず説明していきたいと思います。
ベローズとは簡単に言えば「伸縮管」のことを指し、麻酔器でいうベローズとは「呼吸バッグの代わりをするもの」ということができます。

そんなベローズの原理を応用した麻酔器をベローズタイプの麻酔器ということができますが、メリットとしては回路のリーク(漏れ)が視認で確認でき安全性が高いこと、一方のデメリットとしてはベローズが膨らまないと換気ができないことが挙げられます。

【ピストンタイプの麻酔器について】

ベローズタイプの麻酔器が駆動ガスを利用して送気するのに対して、ピストンタイプの麻酔器は駆動ガスを利用しないものが一般的です。

ピストンタイプでは駆動ガスの代わりに電気駆動が利用されるため、コストも比較的抑えられ、送気量の細かいコントロールもできます。

またこのタイプの場合ベローズタイプのようにリークを目視によって確認することは難しいですが、リークがある場合にはアラームで知らせることができるように補完されているケースが多くなっています。

【ベローズ・ピストン以外の呼吸器システム】

一本のチューブ内のガスで酸素駆動するタイプの麻酔器について、ここでは紹介していきたいと思います。このタイプの麻酔器・呼吸器はベローズといった隔壁は不要で、回路の換気が瞬時にできます。
また、電子制御によるコントロールの精密さ、構成部品が少ないことによる耐久性の長さなどのメリットがあります。

さらに回路にリークが発覚した場合でも代わりに酸素が駆動ガスとして送気されるため低酸素状態に陥りづらく換気が滞りなく行われることになります。

【まとめ】

いかがでしたか?今回紹介したような駆動ガス使用するタイプの麻酔器では日常点検や使う部屋の換気など使用上の注意点がいくつか存在します。
例えば、「ボンベのバルブ部分に油脂をつけないこと」「火気からは遠ざけること」「ガス名の表示に気を付けること」などがそれに該当します。

正しい利用法をしっかり身に付け実践で生かしていただきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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