CT検査装置における世代とは?

生体現象測定記録・監視用機器

おそらく皆さんが一度は経験したことがあるだろうCT検査。CT検査、またはCTスキャンと呼ばれるもので体内を画像化し、異常がないか、あるいは検査したい部位の経過がどうなっているのかを調べるものです。
CT検査装置には「第1世代」「第2世代」といったような呼び方をするものがあります。その世代とはなんのことか、どのような違いがあるのか説明したいと思います。

【CT検査装置とは】

人体には多くの水分があり、X線を通すと水に似たような反応があります。
水のCTの値を0とし、空気の値を-100gとして-1000から+2000の数値にして表すことによって人体の臓器の密度を見ることができます。その集めたデータによって体内が立体的な画像となり、様々な臓器の病変などを知ることができます。

【CT検査装置の歴史】

ここで使う「第〇世代」というものはCT検査装置の歴史から取ったものです。そうすると1よりは2、2よりは3といったように後の数字になるほど進化しているように見えますが、各世代の良い点、悪い点が受け継がれたり新しい試みにされたりと試行錯誤されているので、単純に世代が新しいから良いとはいえない、と主張する声もあるようです。

◎第1世代(トランスレイト/ロータート方式)
1968年、イギリスEMI社のハンスフィールドが初めてCT装置を開発しました。
脳の様子を見るために作られたもので、撮影は頭部のみでした。
X線管の水平動作(トランスレイト)と微小な角度の回転動作(ロータート、ローテートともいう)をくり返してスキャンしたもので、200~300秒で4分ほどの時間がかかりました。

◎第2世代(トランスレイト/ロータート方式)
撮影法は第1世代のものと共通していましたが、ナローファンビームで度数を3~15度にし、検出器が第1世代では1、2個だったのを8~30個程度に増やしスキャン時間が20~120秒ほどに短くなりました。また、全身用の装置も開発されました。

◎第3世代(ロータート/ロータート方式)
被写体のまわりに円を描くようにX線管と検出器を時計回りと反時計回りに回してスキャンする方法でスキャン時間が10秒ほどになりました。

◎第4世代
1、ステーショナル/ロータート方式
被写体のまわりに検出器を円を描くように固定し、その内側をX線管が回転します。
2、ニューテート/ロータート方式
円周上に並べた検出器が外側に配置されたX線管の動きに合わせて動きます。

◎第5世代(電子ビーム方式)
X線は電子制御で動きます。検出器は180度+30度(ファンアングル分)の配置でスキャン時間も0.05秒ととても短くなりました。

【まとめ】

大まかにいうとCT装置は物質的な動きから電子制御へと、より短い時間で撮影(スキャン)ができるようになりました。これからはX線の人体への影響を少なくし、もっと高画質に、よりリアルタイムに近い撮影・観察ができるように開発が進んでいます。

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