CT装置・CT検査の概要

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】

CT装置とは、x線を使って体内の断面図を撮影する医療機器です。
技術の進歩により、より鮮明で細かい画像が撮影できるようになったことから、肺がんなどの重大な病気の早期発見にも有効とされています。
今回は、CTの基本情報と検査の流れをまとめます。

【CT装置とは】

1.CTの概要
CTは、Computed Tomographyの略で、和訳するとコンピュータ断層撮影となります。
専用の装置を使いx線を体に当てることで、体の断面図を撮影することができ、がんの早期発見にも役立てられています。
撮影の仕組みは、患者の体に180°、360°方向からx線を照射して得られた情報を独自の計算方法で処理し、連続断面画像に変換するというものです。
さらに、得られた連続断面画像から特定の断面画像を得たり、立体画像で表示させることも可能です。
また、同じように体内を撮影する医療機器にMRIがありますが、そちらは磁気と電磁波を使って体内を映しだす仕組みとなっています。

2.検査の流れ
CT検査には2種類あり、造影剤を使わず検査する場合は「単純CT検査」、造影剤を使う場合は「造影CT検査」となります。
CT検査の流れは次の通りです。

(1)入室
検査室に入室し、身に着けている金属を外して病衣に着替えます。

(2)横になる
あおむけの姿勢でCT装置の寝台に横になります。

(3)位置を決める
放射線技師が、患者の位置を決め、検査が開始されます。
造影CT検査の場合は静脈から造影剤が注射されます。
造影剤の注入は、副作用に細心の注意を払い慎重に行われます。

(5)腹部や胸部の場合
腹部や胸部の検査では、呼吸による動きで画像が歪む場合があるので、技師や医師の指示に従い呼吸をします。
患者が不快感や体調の変化を訴えている場合は、検査が中断されることもあります。

3.造影剤について
CT検査では、より鮮明な画像を得るために造影剤が使われることがあります。それにより小さな病変も発見することができるようになります。
造影CT検査の場合は、食後3時間以上が経過してから行われます。
稀に、かゆみ、じんましん吐き気、嘔吐などの副作用が認められますが、すぐに対処できる体制を整えたうえで検査が行われます。また、アトピーや花粉症などのアレルギーを発症した人や、薬剤にアレルギーがある人に対しては、特に慎重に使用されます。(場合によっては造影剤を使わない検査に変更されることもあります)

【最後に】

レントゲン、胃カメラなどと共に、CT装置を用いた検査も一般的になってきました。
また、がんの早期発見の重要性にも注目が集まり、詳しく検査したいという患者からの需要も高まっています。
CTは素晴らしい技術ですが、装置が大がかりで修理・メンテナンスが必要になった時は多くのコストを要することが予想されます。
CT装置の導入の際は、医療機器用の保険への加入をお勧めします。

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