人工呼吸器で呼吸回数も管理できる!?アラームモードの種類について

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
人工呼吸器以外の医療機器にも言えることですが、患者さんの異常をいち早く察知するためにはアラーム機能が大切になってきます。

今回は人工呼吸器のアラームとその対処法について説明していきます。

【人工呼吸器トラブルの原因】

以下、トラブルの原因を挙げてみたいと思います。

1.人工呼吸器回路内の閉塞
2.ガスなどの漏れ
3.自発呼吸が減る、もしくはなくなる
4.本体の損傷、もしくは電源が入らない
など

【アラームが作動する原因とその対処法~モード別~】

人工呼吸器のアラーム機能が作動するときには必ずその原因があります。
以下、4つのモード別アラーム作動原因と対処法について見ていきたいと思います。

・呼吸回数上限アラーム
患者さんの呼吸を管理する際には基本的にきちんとガス交換がされていることが基本となります。ですから小児でない限りは、ガス交換の際に行われる換気が一回当たり8~10ml/kg、換気数は10~12回/分となっています。

この一回当たりの換気量が得られない場合には、その分を穴埋めする形で呼吸回数が増えることがあります。そうすると患者さんに肉体的負担がかかり、危険な状態になることも考えられます。そういった意味でもこのアラームには注視しましょう。

・無呼吸アラーム
呼吸と呼吸の間にインターバル(間隔)がありますが、その時間が長すぎると無呼吸の可能性があります。その時間分の設定をあらかじめしておけば設定上の時間を超えたときのみアラームが作動します。

・換気量下限アラーム
一回あたりの換気量が少ないときに作動するアラームです。
このアラームの設定の仕方は、一回換気量もしくは分時換気量の70%か80%ほどまで落ちたときに鳴るように設定するのが好ましいとされています。
このアラーム作動時には人工呼吸器の不具合(閉塞や空気漏れ)がないかをまず確認します。さらに痰の詰まりが確認された場合には体位ドレナージで痰の喀出をし、気管吸引を行いましょう。

・回路内圧上限アラーム
このアラームの役割は回路内の内圧上昇を認めたときに送気を中断したり、またアラームが継続的に作動した場合には低換気に切り替える目安となります。
また、回路内圧の上昇が確認された場合には回路に滞りがないかなどを確認します。
ちなみに回路内圧上限アラームの設定値は+10水柱センチメートル程度が良いとされています。

【終わりに】

いかがでしたか?人工呼吸器でのトラブルや緊急事態の対処にアラームは不可欠です。アラームを正しく設定して非常事態に備えていただきたいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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