麻酔器の安全機構や警報システムについて

生体現象測定記録・監視用機器

【はじめに】
吸入型の麻酔器は一般的に呼吸回路部分とガス供給部分に分けることができます。
また麻酔器には万が一の不具合が生じたときの備えとして「安全機構」「警報装置」などが備え付けられています。
今回、麻酔器の安全機構や警報装置といった安全管理に関する装置について紹介致します。

【いくつか存在する安全機構の役割】

麻酔器の安全機構には以下のような役割で分けることができます。

・停電時の電力供給を補完し知らせる
最新式の麻酔器はAC電源が備え付けられているものが多く、停電時においても自動的に内蔵バッテリーに切り替わるタイプのものが増えてきています。
さらに内蔵バッテリーの電圧が低下してきている場合には警報機で知らせたりするなど安全装置自体の「安全」を管理するシステムも充実しています。

・異常や誤操作を知らせる
人的ミスによる麻酔器の誤操作や異常も最新の医療機器では防ぐことができます。さらには誤操作の原因まで通知するタイプのものまであります。
このような安全機構の充実によって麻酔医は迅速かつ的確な判断を下せるようになり、事故やミスの軽減につながるといえます。

【ガス供給システムと呼吸器回路の警報について】

麻酔器を大きく二つに大別すると呼吸回路部分とガス供給部分に大別できることは先ほど述べましたが、実際にこれら二つのパーツの安全機構・警報機能はどのようになっているのでしょうか?

・呼吸回路部分について
ここでは4つの警報について紹介します。
1.低圧警報
回路内の圧がゼロまたはセットされた圧以下になったときに発令される警報です。

2.陰圧及び過剰圧警報
回路内の圧が過剰もしくは陰圧になったときに発令される警報です。

3.酸素濃度計
予めセットされた酸素濃度を超えたときに可視・可聴式の警報を発令します。

4.音声警報装置など
音声言語で警報を発令します。

・ガス供給システムについて
ガス供給システムには基本的に6つの警報装置が存在しています。
1.酸素元圧低下警報装置
麻酔器への酸素の元圧が何らかの原因で低下しているときに発令する警報になります。

2.笑気カットオフ機構
酸素の供給圧が1kg/平方メートル以下になると笑気の供給が自動的に止まる装置のことです。

3.誤接続防止
接続系の危険性を除去するための装置です。

4.中央配管圧力計
中央配管のガスを優先的に使用できるように中央配管の内圧を示した装置になります。

5.流量調節ノブ
ガス流量計を使って適宜的確なガスの濃度に調整するための装置です。

6.安全型流量計
酸素を流さないと笑気が流れないように設定された流量計です。

【まとめ】

今回麻酔器の安全機構について簡潔にまとめてみました。
参考にしてください。

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