心電図に呼吸性の変動が見られた。これは病気?

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【はじめに】
私たちの心臓は常に休みなく動いています。およそ1秒に1拍くらいの速さで動いているといわれています。
ところが、心電図には時々呼吸によって起こったといわれる変動(呼吸性の変動)がみられることがあるようです。これはどのような状態なのでしょうか?
今回はそのことについて説明したいと思います。

【問題ない「ゆらぎ」の場合】

大人の心拍数はおよそ1分の間に60~70回程度です(安静時)。
つまり1分に1拍くらいなのですが、心電図検査で精密に測ってみると0.9~1.1秒という幅があります。
息を吸ったとき速い値が、吐いたときに遅い値になります。
つまり呼吸に合わせて心拍がゆらぐという現象が見られます。しかしこれは特に異常なものではなく、肺呼吸をする動物はこの「ゆらぎ」があるのです。

なぜこのような「ゆらぎ」があるのかというと、心臓が少しでも休息をするためです。
心臓は心筋という筋肉の塊でできているのですが、心臓は例えば手足を動かす筋肉のように睡眠時でも休むことができず、動き続けなくてはいけません。
たとえ0.1秒単位のわずかな時間でも休もうとすると、心拍数に時間の幅が生まれるのです。
つまり「ゆらぎ」とは「心臓がきちんと休みを取れている状態」をいいます。

この現象は「呼吸性不整脈」と呼ばれますが、不整脈という言葉がついていてもこれは病気ではありません。
この「ゆらぎ」がよく起こるのはリラックス時で、若いほどよく「ゆらぎ」があり、ゆらぎが多いのは健康である証拠です。

【問題がある場合、ゆらがなくなる】

加齢とともにこの「ゆらぎ」が少なくなっていきます。
ほかにも、下記の
・運動をしているとき
・ストレスがあるとき
・緊張しているとき
・喫煙、飲酒
このような原因によってゆらぎにくくなったり、ゆらぎが減ったりします。
さらに心臓病、糖尿病患者はゆらぎが激減。
「ゆらぎ」が少ない状態、つまり心臓がほとんど休めない状態が多いほど寿命が縮む傾向があるようです。

【適度な運動とリラックスが重要】

自律神経のバランスが取れていると心拍の「ゆらぎ」に良い影響を与えます。
自律神経は臓器、血管などの働きをつかさどります。
・興奮時には交感神経が動く
・リラックス時には副交感神経が動く
という性質があり、両方ともバランスよく動いている状態が健康である状態になります。

生活に適度な運動を取り入れ、また十分な休息・睡眠をしてリラックスすることが自律神経のバランスを取ることにつながり、心臓に良いとされています。

【まとめ】

心拍の「ゆらぎ」が大きいと心臓は適度な休息が取れるので、健康維持に重要です。
ゆらぎには日々の呼吸が影響しています。
心配であれば病院で心電図検査を受けてみることも大切です。現代はストレス社会といわれ、ストレス・緊張状態が続きがちです。意識して自分にあったリラックス法を探してみることもいいかもしれません。

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