電子内視鏡の構造について~光源装置、モニター、スコープなど~

診断用機器

はじめに

電子内視鏡は、身体を切り開くことなく内部の様子を観察したり、組織を採取したりするための手段として、今日の医療現場で重要な位置を占めている医療器具です。
今回は、そのような電子内視鏡の構造について説明します。
なお、電子内視鏡は、システム本体とスコープの部分に大別することができますが、まずはシステム本体の構造から見ていくことにしましょう。

システム本体の構造

システム本体は一般的に「ビデオシステム制御装置」、「光源装置」、「カラーモニター」から構成されています。

ビデオシステム制御装置

その名の通り、内視鏡システム本体の中心部分になります。
ビデオシステム制御装置には、スコープの先端から送られてきた電気的な信号を、画像としてモニターに映し出すための映像信号に変換する機器が内蔵されているほか、各部分との接続部や、調節のための装置などが設けられています。

光源装置

光源装置では、LEDランプやキセノンランプなどによって光を発生させています。
発生させられた光は、スコープの光ファイバーケーブルを経由して内視鏡の先端へと供給され、真っ暗な身体内部を照射します。
これによって、観察や治療などが可能になるのです。

カラーモニター

カラーモニターは、スコープ先端に備え付けられた小型の撮像素子によって撮影された画像が映し出される部分です。
最近では、技術の進歩により3D画像を4K解像度で表示できるようなモニターも開発されています。
このような装置を使えば、より立体感、奥行き感のある画像が映し出され、診断や治療がしやすくなることに貢献しています。

スコープの構造

最後に、スコープの構造についても見ておきましょう。
スコープは「接続部」、「操作部」、「挿入部」、「先端部」に分けることができます。

接続部と操作部

接続部は、文字通りにシステム本体と接続する部分のことです。
また、そこからつながる操作部には、内視鏡を上下左右に湾曲させるためのアングルノブや、先端のノズルから水や空気を出したり吸引したりするためのボタン、身体内部を処置するための器具を挿入する部分などが設けられています。

挿入部と先端部

身体内部に入る部分である挿入部の一番先端には、ライトガイド、レンズ、ノズル、鉗子口などの装置が備わっています。
ライトガイドは光源装置から供給された光で身体内部を照射し、さまざまな処置を行うことを可能にしています。
そして、レンズを通じて撮像素子で撮影された画像は、カラーモニターへと映し出されますが、そのレンズが血液などで汚れた場合にはノズルから水や空気が送り出されて洗い流すことができます。
また、鉗子口からは器具が出てくるようになっており、組織の採取や処置を行うことができるようになっています。

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