【基礎】ct装置の構成を理解しよう!

診断用機器

ct(Computed Tomography)とは、コンピュータ断層撮影法の略であり、ct装置のx線管球が身体の周りを回転することで360度から身体の断面を撮影する検査です。
撮影した情報からコンピュータが解析を行い身体の断面画像を表示します。
ctは心臓や大動脈、肺、肝臓や腎臓などの腹部病変に対して優れた描出性能をもっています。
また、数秒で撮影ができることから緊急時の病変検出に対しても優れています。
ct装置はヘリカルctと呼ばれるらせん状に身体の周りを回転して撮影する方法が主流となっており、1度だけ息を止めるだけで体幹部の全体を撮像することができます。
一般的なct装置は検出器が1列(シングルスライスct)に対して、16列以上の検出器を搭載した「マルチスライスct」も普及が進んでいます。
1回転で16スライス以上を撮影することができるため、短時間での検査が可能となり、小さな病変でも正確に画像収集を行えます。

○ct装置の構造
ct装置は大きく分けて①ガントリ、②クレードル、③コンソールの3つの構造から成り立っています。

①ガントリ
ガントリとは患者様の周囲を回転して架台のことです。
ガントリの内部にはx線管や検出器、高電圧発生装置や電源ケーブルなどのさまざまな機器が含まれています。
ガントリの中心開口に対してx線管と検出器を対向させて搭載しており、x線管から照射したx線を検出器にて受けとります。
さらに検出器付近にあるデータ収集システム(DAS:Data Acquisition System)から光通信によって非回転部分であるコンピュータ(コンソール)へ情報を送ります。
このDASにより検出器からのアナログ情報をデジタル信号へと変換します。

②クレードル
クレードルとは、患者様が横たわる撮影寝台のことです。
クレードルは上下・水平方向に駆動し、ガントリ開口部での位置調整をすることができます。
患者様の安全を確保し、正確な検査をするためにヘッドホルダやヘッドストラップ、ボディストラップが付属しており、状況に合わせて使用します。

③コンソール
コンソールとはDASからの情報を受け取り、画像としてモニターに表示するコンピュータとキーボード、マウス、撮影室とのインターフォンや操作盤、ネットワーク装置の総称です。(操作コンソールとも呼びます)
コンソール内のソフトウェアから患者様の情報入力や撮影設定、他部門への情報共有、画像データの転送などの情報処理を行うことができます。

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