mriのデメリットと注意点を解説。体調不良も

診断用機器

mri(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)は人体に電磁波を当てることによって断層撮影をする検査です。
水分量の多い臓器の検出に有効であり、脳や脊髄、血管、卵巣や前立腺、乳がん検査などの画像診断に用いられます。
靱帯や軟骨は一般的なctでは描出が困難であるため、関節内などの運動器の診断にも有効です。
mriはx線やガンマ線などの電離性放射線を利用していないため、放射線被曝の心配がありません。
mriはさまざまなメリットがある一方で、デメリットや患者様の体調不良を起こしてしまうような副作用もあります。

○mriのデメリット
mriは強力な磁力を用いるため、ペースメーカーや脳深部刺激装着、人工内耳などの体内埋め込み機器や金属を装着されている方は検査をすることができません。
検査前に必ず確認する必要があります。
コンタクトレンズ(特にカラーコンタクト)、メガネ、時計、指輪、アクセサリー類なども外しておきます。(熱傷の危険があるため)
また、ctと比べて検査時間が長いため、肺や腹部を撮影する際には長い間、息を止めなければなりません。
撮影時は寝台(検査ケーブル)に横たわり、ガントリと呼ばれる機器開口部の中に入ります。
患者様が孤立状態となるため、救急を要する状態であれば検査がしにくいというデメリットもあります。
ガントリの内部は非常に狭くなっており、閉所恐怖症の方は体調不良を訴えられるケースがあるため注意が必要です。同様に小児に対しても恐怖心を抱かせてしまうため検査が困難なケースもあります。
最近では「オープン型mri」も開発されており、閉所恐怖症の方や小児でも恐怖症を最小限に抑えることができます。

○造影剤による副作用
mri検査ではコントラストをつけて画像を明確にする目的で造影剤を使用する場合があります。造影剤はカドリニウム製剤、SPIO(超常磁性酸化鉄)、経口消化管造影剤などが使用されます。
副作用のほとんどが投与直後に起こる即時性の副作用です。吐き気や嘔吐、掻痒感、くしゃみなどの軽度なものですが、極めてまれですが、アナフィラキシー様症状などの重篤な副作用が起こる可能性もあります。
また、検査後1〜2時間後に症状が現れる遅発性副作用もあるため注意が必要です。
副作用を予測することは困難ですが、アレルギー体質の方や気管支喘息がある方、今まで副作用が起きたことのある方は特に注意しておきましょう。

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