ベッドサイドモニター 心電図等を常時測定する医療機器

診断用機器

心電図波形をはじめ、さまざまなバイタルサインを長時間にわたり常時測定することを可能とする「ベッドサイドモニター」。それはどのような場合に使用される医療機器なのでしょうか。使用方法など基本的な事がらを交えながら確認してまいりましょう。

ベッドサイドモニターを使うケース

ベッドサイドモニターはおもに生命が危機的状態にある患者さんや、手術後またはカテーテル治療等を受けている場合や、集中治療を施されている患者さんなどに使用されます。患者さんのベッド横に設置しバイタルサインを常時測定することで、異常の早期発見や医療プランに役立てます。

おもに計測されるのは、心臓の主要な各部位の状態や動きを波形によって表す心電図であり、他にも動脈血液中の酸素量を測る経皮的動脈血酸素飽和度(=SpO2)、呼吸の状態および呼吸数、血圧、体温などがリアルタイムに測定されます。

不整脈などの異常が発生するとアラームで知らせるため、迅速な医療措置が可能となります。

使用手順

次に、ベッドサイドモニターの使用方法について、順を追って見ていきましょう。

使用前の準備

使用前にはまず、装置内に記録紙をセットします。
これは心電図波形を描画するためのものです。一定速度で送り出されるグラフ紙に、心臓の挙動によって心筋が発する生体電気の電位差を記録し、縦軸に電位差、横軸に時間をとる心電図波形が描かれていきます。

記録紙を準備したら、装置を患者さんのベッド傍の邪魔にならないところへ設置し電源を入れます。

心電図電極およびプローブの装着

次に心電図電極とSpO2を測定するプローブを患者さんに装着します。

まず、電極が剥がれないよう患者さんの鎖骨下から上腹部にかけてアルコール綿で拭いた後、右鎖骨下、左鎖骨下、左肋骨下の三箇所に電極を貼り付けます。そしてベッドサイドモニターに繋がる赤、黄、緑の配線を、赤は右鎖骨下、黄は左鎖骨下、緑は左肋骨下へと接続します。これで心電図波形の測定が開始されます。

プローブは主にクリップ型の形状であり、そのクリップ部を患者さんの指に挟んで装着します。送信機にコードをつなぎ、クリップ部から赤色光が出ているのを確認して装着しましょう。それでSpO2の測定が開始されます。

アラームの設定

不整脈時のアラームは主に予め設定されています。SpO2や呼吸数については、患者さんの容体等に併せて適宜に数値を設定しましょう。

モニター表示の見方

前項の手順を終えれば測定開始です。後はベッドサイドモニターに表示を確認しながら容体を観察していくことになります。そのモニターの見方について確認していきましょう。

画面上部左端には心拍数が表示され、その右側に心電図波形が上下2段に分かれて写し出されます。この上下2段の心電図は同じ波形をわずかにずらしているもので、危険な不整脈を見逃さないようこのように表されています。

画面中央部左端はSpO2値、その右側の波形は脈拍を表します。

画面下部左端は呼吸数、その右側は呼吸のリズムと深さや速さを表す呼吸曲線です。

まとめ

ベッドサイドモニターは、手術後や集中治療中、または生命が危機的状態にあるなどといった絶対安静を要する患者さんのバイタルサインを常時測定するための医療機器であること、
加えてその使用法や表示の見方などについて確認してまいりました。
初歩的な内容ではありますが、ベッドサイドモニターの概要について理解していただければ幸いです。

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