脳波計の耐用年数について

診断用機器

医療機器には耐用年数というものが設けられており、脳波計もその例外ではありません。では脳波計の耐用年数はいくらなのでしょうか。耐用年数の意味合いやその求め方、及び脳波計とはどのような装置なのかということを確認しながら、順を追って考えていきましょう。

耐用年数とは

そもそも耐用年数とは、会計上の固定資産の一種である減価償却資産に適用される考え方です。病院などが所有する医療機器もその減価償却資産に当たるので、耐用年数が定められることとなります。

減価償却とは使用可能な期限がある資産について、その購入に充てた支出をその資産が使用できる期間にわたって分割し計上するという帳簿の付け方です。医療機器にも装置の寿命など、使用できる期限がありますので、会計上減価償却の考え方を当てはめることができます。

つまり、脳波計などの医療機器が何年間使えるのかということを、会計的な観点から見たものが耐用年数であると言えるでしょう。

減価償却資産の耐用年数は、国が公表している「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」
によって定められています。その中の耐用年数表に医療機器関連も含まれているのですが、仕組みや用途などで項目が分類された形式で記載されており、具体的な装置名が列挙されているわけではありません。

脳波計の耐用年数を知るには、耐用年数表で脳波計がどの項目に入るのか判別する必要があるのです。

脳波計についての概要

ここで脳波計とはどのような医療機器なのか再確認しておきましょう。

脳は、その活動に伴って微弱な電気作用を発生させています。これを電位差(=電圧)として観測する機器が脳波計です。被検者の頭部に取り付けられた複数の電極から脳各部に生じる電位差を読み取り、それが時間の経過でどのように変化していくのか図示した波形が脳波となります。

以上のことから、脳波計は脳各部に設置された電極から電位差を検知し、得られたデータから脳波を描写する機器であると言えるでしょう。

脳波計の耐用年数は?

前項で確認した脳波計の特徴を元に「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」から対応年数を調べていきます。

まず、「構造又は用途」項目内の「医療機器」に該当することは確実でしょう。
次項目の「細目」で医療機器の分類がなされているわけですが、電圧を計る脳波計は電子機器に当たります。そのため、「レントゲンその他の電子装置を使用する機器」に相当すると判断できます。

さらにその下で「移動式のもの、救急医療用のもの及び自動血液分析器」と「その他のもの」に分かれます。脳波計の特徴と照らし合わせると「その他のもの」に該当するでしょう。

以上により、脳波計の耐用年数は6年であることが求められます。

典型的なタイプの脳波計であれば耐用年数6年と言えるでしょう。しかし、機種によっては他項目に該当する機能を兼ね備えている場合も想定され、そうなると耐用年数が異なってくることも考えられます。

実際に使用している脳波計の耐用年数を知る際には、メーカー及び会計関連の専門家による判断を仰いだほうが確実と言えるでしょう。

まとめ

以上のことから、要点をまとめると以下の通りとなります。
・会計的な観点から、減価償却する資産について使用に耐えられる年数を判断したものが耐用年数である。
・耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」によって、対象となる資産の仕組みや用途ごとに定められている。
・ノーマルな型の脳波計であれば、耐用年数は6年となる。

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