脳波計のフィルタとは

診断用機器

脳波計のフィルタは何をするためにあるのでしょうか?フィルタといえば、一定のものを通さずそれ以外の物を透過させるものですが、脳波計のフィルタに関してはどんな使い方になるのかを見ていきましょう。

フィルタとその種類

脳波計のフィルタに限らず、様々なフィルタが存在します。例えば、空気清浄機のフィルタは空気中のゴミや埃などを除去します。また、オーディオにイコライザーという機能がありますが、これもフィルタの一種でボーカルの音を強調したり低音を強調したりなど、設定を変えることができます。人の声の高さより低音・高音を相対的に弱めているのです。

デジタル脳波計でのフィルタとは、注目する周波数の波だけを残しそれ以外の周波数の波を取り除くために使われます。つまり、雑音の発生をなるべく抑えるということです。どういった高さ(周波数)の信号を弱めるかでフィルタの種類が異なります。

では、その種類について書いていきます。

ローパス(低域通過フィルタ)

低周波(低域)の波を通過させます。つまり、特定の周波数よりも一定以上の波を遮断することができます。高周波の波を遮断するため、フィルタによって高周波の雑音は除去できますが、低周波の雑音は除去できません。また、ハイカットフィルタ(高域遮断フィルタ)と呼ばれることもあります。

ハイパス(高域通過フィルタ)

高周波(高域)の波を通過させます。特定の周波数よりも一定以下の波を遮断することができます。低周波の波を遮断するため、フィルタにより低周波の雑音は除去できますが、高周波の雑音は除去できません。

バンドパス(帯域通過フィルタ)

ローパス(低域通過フィルタ)とハイパス(高域通過フィルタ)の両方を通過させます。特定の周波数よりの一定以下および一定以上の波を遮断することができます。例えば、20Hz以上・700Hz以下の波を遮断するという事です。

バンドストップ(帯域遮断フィルタ)

ローパスやハイパスなどとは異なり、特定の周波数を持つ波を遮断することできます。脳波計に限らず、心電図・筋電計などには「商用交流」(東日本は50Hz・西日本は60Hz)の信号が混入した時に、それを除去するために「ハムフィルタ」と呼ばれる帯域除去フィルタが組み込まれています。

まとめ

ここまで、脳波計フィルタの意味とその種類を書いてきました。フィルタによって除去される周波数が異なるため それぞれの目的にあったフィルタを使い分けることになるということです。

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