脳波形パターンを調べる電極の役割

診断用機器

脳の波形を調べる事で、様々なパターンがあることがわかるようになりました。「頭部につけた電極によっていったい何がわかるのか。」脳の波形を調べる為の電極の役割について紹介しましょう。

脳波検査でわかること

脳の仕組みがわかるようになったのは、1924年ハンス・ベルガーによって脳の働きに脳波が発見されて、電気現象による現象として脳の働きがわかるようになったのです。

ヒトの脳波0.5Hzから30Hzの成分を、臨床結果において脳機能を診断できることになってきました。しかし、CTやMRIの発展により、診断の決め手を譲る形になったものの、今でもてんかん診断などでは、その役割をになっているのです。

脳波形パターンでわかる事

脳波の基本は、0.5Hzから30Hzまでの周波数範囲の変化を知る事から始めます。脳波が表す例には以下のような症状が現れます。

1=目をつむると8-12Hzのアルファ波の波形が現れます。

2=計算問題で脳を使った場合には、13Hz以上のベータ波が出現する代わりにアルファ波が減ります。

3=眠くなる症状では、振幅が小さくなる事で、特徴的な波形であるスピンドル(紡錘波) やハンプ(瘤波)のような特徴がでます。

睡眠脳派による記録からてんかんの欠神発作以外で、てんかん発作波の出現率が高くなる事がわかりました。

電極の役割について

脳波を調べるには、電気的な変化を読み取る事が必要になってきます。そのためには、脳の周りに電極を配置する事によって、様々な脳の波形パターンを読み取る事が出来るのです。記録を行うには、電極配置法やモンタージュ電極のタイプやインピーダンスフィルター原理を理解しなければなりません。

1=電極配置法やモンタージュ21の電極
一般的に活用されるのは国際10-20法です。鼻根点の部分から外後頭隆起を一直線に結び、その中点や両側にある耳介前点の中点からCzとします。Czを中心として10,20,20,20,20,10%に分割します。前の方からFpz,Fz,Cz,Pz,Ozと配置を定めます。

Czの両側にある耳介前点も結んで分割して、左側からT3,C3,Cz,C4,T4とします。左のFpzT4,Ozを結ぶ半円の配置にも分割してFp1,F7,T3,T5,O1と配置し、右から結ぶFpz,T4,Ozを結ぶ半円も分割してFp2,F8,T4,T6,O2として、それぞれの中点には、F3,F4,P3,P4とします。

・F=Frontal 前頭部です。
・T=Temporal 側頭部です。
・C=Central 中心部です。
・P=Parietal 頭頂部です。
・O=Occipital 後頭部です。

電極の組み合わせ

耳朶(ジダ=みみたぶ)や鼻やアゴなどは、不活性な電極として耳朶電極(無関電極)と頭皮上電極(関係電極)間の変動を、単極導出として記録します。関係電極の入力が無関電極の入力に対し、陰性を示した場合に記録紙のペンは上部に振れるようになります。

基準電極の活性化や平均電位基準電極導出法を併用すると、どこかの誘導で高電位が出現する事で全体的に影響が現れる問題があります。

頭皮上電極どうしの電位差の変動を双極導出として記録します。

【①通常は頭皮上電極】
国際10-20法に従って配置する方法です。円盤電極や皿状電極を、導電性ペーストや特殊な帽子で固定する場合は、針電極を皮内に挿入する事で、電解質溶液を満たしたスポンジでバンドを固定する方法があります。

【②特殊な脳表電極の設置】
電橋の配置は、頭皮上に配置されるのが一般的ですが、頭部を切り開いて脳表に設置する場合もあります。記録しにくい脳底面などの部位にも、電極を配置することで空間分解能が高くなる特性が利用できます。

交流インピーダンスによる測定

電極接触抵抗は、インピーダンスが10Hzにおける値をもって代表値とするので、各電極の接触インピーダンスは10kΩ以下が推奨されています。電極が表示する脳の波形パターンは、微弱な電流の変化を電極が捉える事で、脳波の状態を把握できるのです。脳の波形パターンを理解する事で、脳の状態を電極によって表示する役割を担っているのです。

まとめ

脳波計の検査では、脳の波形パターンを表示する為に電極の配置が重要な役割をしている事がわかります。正常脳波である基礎律動を基準にした、それぞれの脳波形パターンの違いから脳の状態を知ることが出来るのです。

ピックアップ記事

関連記事一覧