血圧計の種類と基準について

診断用機器

血圧を測る血圧計には医療機関などで使用されるものから、家庭での健康管理に使用されるものまで様々な種類がありますが、その基準とはどのように定められているのでしょうか?
血圧計の種類と基準について見ていきましょう。

血圧計の種類

種類としては、大きく2つに分けられます。

〇「間接法・非侵襲式(ひしんしゅう式=非観血式)」
これは多くの病院やクリニックなどで使用されているタイプで、「手動式」のものと、病院や家庭用として使用されている「自動式」のものがあります。

〇「直接法・侵襲式(しんしゅう式=観血式)」
これは血管内部にセンサーを挿入し、動脈圧を直接測定するものです。主に、手術室やICUなどの重症患者に使用されます。

血圧計の基準(規格)

結論から言うと、国際的な規格としては統一されていません。例えば、日本と欧米とでは違う規格が運用されています(欧米に限らず世界的に統一されていません)。

本来ならば人に対して使用する医療機器は、使用する場所によって安全性や基本性能に差があってはいけないのですが、残念ながらこれが現状のようです。

国際的に統一されていないとなると、基準がないのかと不安になりますが、現在日本で使用されている規格はどのようになっているのでしょうか。下記にて詳しく見てみましょう。

日本での基準(規格)

日本において血圧計は、「計量法」と「薬事法」の二つの規制が掛けられています。その理由としては、血圧計は医療機器でありながら圧力を測る計量器でもあるためです。従って、両方の基準を満たさなければなりません。しかし、この二つの規制には重複する内容も多く、規制を見直すべきだという意見が多々あるようです。

〇「計量法」
血圧計は計量器の中でも「特定計量器」とされ、「特定計量器検定検査規則(通称、検測)」の要件を満たさなければなりません。血圧計の場合、検測は「JIS T1115」の付属書として発行されています。現在は検測として、血圧計一台ずつに都道府県の定めた検定所での検査が義務付けられています。

〇「薬事法」
薬事法の規制はJISに基づいていますが、JISにない場合は国際規格で代用することになっています。通則では「JIS T0601」が使用されており、個別規格は「JIS T1115」が使用されています。

まとめ

血圧計の種類と基準について書いてきましたが、現状では国際的にも統一されていない現状があります。しかし、国際的な整合をするために、以前から様々な国と業界によって規格作成が行われています。今後の動きに期待をしたいところです。

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