血圧計には点検のためと調整用にネジを使用する

診断用機器

血圧計の構造的にポンプの役割を果たす送気球には、調整用のネジやバルブがついています。また、看護師が使用する血圧計には、点検するためにもネジやバルブの調整を必要とします。今回は血圧計に使用されている送気球のネジの役割について紹介します。

血圧計の構造と使用方法とネジの役目

血圧計にはアネロイド式血圧計や電子血圧計、自動電子血圧計などがあります。看護師が通常使用するタイプは、聴診器を使用して上腕にカフと呼ばれる腕帯を巻き付けます。この腕帯はマンシェットとも呼ばれています。

空気袋のようなカフ(=マンシェット)へ、送気球であるポンプで中に空気を送り込み、血圧計本体は手に持って観察できるようにしています。

また、送気球に付属しているネジのことをエアリリース・ネジと呼びますが、空気を抜いていく役割がエアリリース・ネジにはあります。しかし最初は、空気が抜けないようにするために、エアリリース・ネジは、時計回りで閉まった状態にしておきます。   

そして、カフの空気圧を適量にした状態でゆっくりとエアリリース・ネジを反時計回りに回すことで、空気を抜いていきます。空気が抜けるスピードは、毎秒にして2~3mmHgでカフの中から抜けるようになっています。。

次に、コロトコフ音である雑音が聞こえない状態になった時を最低血圧として拡張期圧と呼びます。血圧計はデリケートな機器のために使用測定するには、条件があり10度から40度の間で、相対湿度(現在の水蒸気量はどれくらいかを表したパーセント)が85%であることで使用するものとなっています。

測定の上でのネジ使用の注意点

血圧計のカフの空気圧はおよそ中央値である100mmHg(ミリメートル水銀柱)程度になるようにカフ圧をかけます。拍動音(コロトコフ音)が聴診器で確認できるか試してみます。

音が聞こえない場合には、聴診器を調整しますが、血圧の値が予想よりも上回っている場合や若しくは、予想に反した最低血圧である場合には、カフからエアリリース・ネジで空気を抜き、カフに掛かっている圧を緩めることでコロトコフ音を聞こえる状態をさがします。それでも聞こえない場合には、140mmHg程度まで上げる過程でコロトコフ音を聞こえるように調整します。

また、送気球のポンプの役目で水銀柱が動かない状態であれば、水銀溜めと水銀柱の間にある弁の位置が正常かどうか確認する必要があります。場合によっては、検査中の利用者さんが痛がることもあるので注意したいものです。

ポンプで空気を挿入することで、カフ圧が上がっていかない場合には、送気球のエアリリース・ネジで調整します。使用後は、カフ(マンシェット)抜き終います。

まとめ

血圧計には点検のためと調整用にネジを使用するために、エアリリース・ネジとして空気を抜くだけでなく正常に使用するためにも重要な部分となっています。医療機器などは精密機器という事もあり決められた使用方法で扱うことが大切です。

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