心臓の電気的な活動を記録する心電図 ~サイナスとは何ですか?~

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医療業界に限らず、どの世界にも専門用語というのは登場します。医療系のドラマなどにも時折登場する言葉に「サイナス」というものがあります。今回は、この心電図における専門用語「サイナス」について説明しましょう。

心電図とは

本題に入る前に、まずは心電図について見ていきましょう。

心臓は電気的活動によってポンプとして作用します。心臓の洞結節で生じた電気は「心房」から「房室結節」、そして「心室」と流れていきます。心電図はこの人間の心臓の正常な動きの確認を行う検査であり、電気活動の総和を検出したものが「心電図」です。

ドイツ語で「Elektrokardiogramm」といい「エーカーゲー」という人や、英語の「electro cardio gram=ECG」から「イーシージー」という人もいます。

サイナスとは

SR=「Sinus Rhythm」のことをいいます。心臓の「洞結節」という場所で発生した電気的興奮が心房や心室に正常に伝わり、心臓の拍動が正しく一定のリズムで繰り返されている状態です。

サイナスリズムは日本語で洞調律(または洞リズム)といわれますが、正常洞調律と呼ばれるノーマルサイナスリズム=NSRも存在します。ほぼ同じ意味で使用されていますが、病院によって言葉のルールがありますので、合わせるようにするとよいでしょう。

心臓の正常な興奮の調律は洞結節から出た電気的刺激が元になって、心房が興奮してP波を形成し、心室が興奮してQRS波となって、心室の興奮がさめる時にT波を作ります。全体に規則正しく同じ形の波形で、Ⅰ誘導・Ⅱ誘導・aVFで陽性のP波なら洞調律です。

不整脈について

正常なリズムがなんらかの原因によって、心拍が不規則になるなど、心臓の電気興奮のリズムが異常になることを「不整脈」といいます。この症状のうち、脈は正常で規則的であっても速くなるものが「洞性頻脈(どうせいひんみゃく)」といいます。緊張による興奮や運動した時に起こります。

1分間に60回未満の心拍数である場合、「洞性徐脈(どうせいじょみゃく)」といいます。
息切れ・疲労感・めまいなどの症状がでることがあります。

まとめ

心電図におけるサイナスとは正しく一定の心拍のリズムが繰り返されている状態で、不整脈でないことをあらわします。サイナスは洞調律(どうちょうりつ)と表現する場合もあり、略語ではサイナリズムでSRと書きますが、勤務する場所によって異なるので確認が必要です。

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